「生きている2人に会いたい」5年前、長野県で子ども2人の命を突然奪われた父親が名古屋で講演し、今も続く苦しみと被害者支援の必要性を訴えました。


国が今年度から始めた「犯罪被害者月間」に合わせて名古屋の中区役所で講演した市川武範さん(60)。2020年5月、長野県坂城町の自宅で長女(当時22歳)と次男(当時16歳)を亡くしました。


暴力団構成員の男が無関係の2人を拳銃で殺害し、その場で自殺したのです。市川さんは事件後、我が子を突然失った喪失感とともに二次被害にも苦しめられたといいます。自分たちに落ち度があったかのような誤った報道や、インターネット上に飛び交うデマや誹謗中傷。自宅には住めなくなり、妻は精神的なサポートが必要な状態で、仕事も続けられなくなりました。
市川さんは講演で「経済的に不安のない安心した生活が心の傷からの立ち直りには必須」と被害者支援の重要性について語りました。また「言葉は命を奪う凶器となる。傷ついている人の前で言葉は慎重に使ってほしい」と訴えました。

(市川武範さん)「生きている2人に会いたい。2人に褒めてもらえる生き方をしていかなければいけない。犯罪被害者の支援に対して、自分のできる精一杯のことをすることが2人に認めてもらえることなのかな」














