現在チャンネル登録者数6950万人超!表情や身振り手振りをメインに表現する「非言語動画」を得意とする、日本一のYouTuber、ISSEIさん(26)が、アフリカの貧困地域を救う取り組みを始めました。
■日本No.1 YouTuberが見た貧困の街で見たもの
日本No.1 YouTuberのISSEIさん(26)。この秋、言葉の壁を越えて“世界に伝えたい”と新たに始めた活動、それが西アフリカ・ガーナの貧困を救済するプロジェクトです。
東京ドーム30個分を超える広さに“世界最大級の電子機器の墓場”と呼ばれる場所がガーナにあります。
首都アクラにあるスラム街、アグボグブロシー。2025年8月、ISSEIさんは初めてこの地を訪れ衝撃を受けました。
ISSEIさん
「生ごみ…ごみの臭いと、そのごみが燃やされたような臭いと、あと土のにおいと。正直、言葉で表すのが難しい。息を吸うと(肺が)痛い。吸いたくなくなる。その空気を」
ISSEIさんが撮影した動画には、ごみを漁る馬や牛の姿が…
JICA(国際協力機構)によると、この街では住民の多くが電子機器を燃やし金属を取り出して売ることで賃金を得ています。
しかし、燃やす際に出る有毒ガスなどの影響で彼らの平均寿命は30代と言われています。この作業に従事している中には子どもたちもいて、JICAによると、ガーナ全体の児童就労は21.8%にも上るということです。
日比麻音子キャスター
「そこで生きている子どもたちがいる」
ISSEIさん
「自分は防護服をつけているのに、子どもたちにはつけさせてあげられないも含めて、心が痛くなりました。自分が解決できることがあったら解決しに行きたい」
■日本一YouTuber 貧困救済 ガーナ若者に制作のコツ伝授
そこでISSEIさんは、アグボグブロシーに廃棄された電子機器を使ってアート作品を作る、長坂真護さんの協力を得てプロジェクトを始動。
YouTuberならではの発想で、スラムに暮らす若者に動画制作のノウハウを教え、その動画の収益を現地の雇用や環境整備などに還元することを決めました。
ISSEIさん
「自分たちで運営とか(動画の再生数を)伸ばせるような、自走する形を目指して、その子たちだけで稼げるようにする。
今はパソコンがなくてもスマートフォンでも編集はできるし、フォロワーの人に見てもらえる、スターになるきっかけがある。誰でも自分で夢をつかみにいける」
日比キャスター
「どんな環境でもどんな国でも平等ということですよね」
ISSEIさん
「そうなんです」
どこに行っても笑顔いっぱいで出迎えてくれる子どもたち。
そんな子どもたちの未来が少しでも明るくなるように。そして、現地の若者たちが作る動画が、より世界の多くの人の目に止まるように…
■ “やる気”を大事に アドバイスはリモートで
月に数回、ガーナのクリエイターが撮影・編集した動画をより良くするためのアドバイスや修正を行うのがISSEIさんの役割です。
日本とガーナ、リモートの様子を見てみると…
ISSEIさん
「まずセンスはすごくいいです。カットのタイミングも、ただ(画面の)真ん中を捉えることが出来ていないのが惜しい」
動画撮影・編集者 ジェイコブさん
「あ~そこがおかしいんだ」
ISSEIさん
「例えばここ、注目させたいのは、コーラが上がってくるところだからフタの部分をもう少し(画面の)真ん中に持ってくる」
動画撮影・編集者 ジェイコブさん
「OK!」
視聴者に見てもらうためには、細かいところまでこだわることが大事だそうです。
ISSEIさん
「下が切れているんですよね、編集の時点で。(コーラが)噴き出すところを見せてあげたいので、噴き出すところを(画面の)真ん中に持ってくる」
ただ、彼らの“やる気”を一番大事にしたいとISSEIさんは話します。
ISSEIさん
「徐々に慣れていってもらう形で今は進めています」
■動画制作は「スラムの子どもたちに未来を与える」
今回のプロジェクトについて、ガーナの子どもたちやクリエイターに話を聞いてみました。
日比キャスター
「動画を作るのは好きですか?」
マリク(9)・サリス(14)・サディク(13)
「Yes!面白いからね」
ディレクター エバンスさん
「私たちスラムの人間は、なぜごみの山がどんどん大きくなっていくんだろうと日々不思議に思っています。どうしたらいいか分からず、眺めたり登ったりしています。
だから、イッセイがこのスラムに一緒にコンテンツを作るというアイディアを持ってきてくれた時、驚いたのと同時にとても嬉しかった。スラムの子どもたちに未来を与えてくれると思いました」
日比キャスター
「お2人の夢はなんですか?」
動画撮影・編集者 ジェイコブさん
「一生懸命働いてこのプロジェクトを前進させていくことが僕の夢です」
ISSEIさんが動画に込めた夢。ガーナの若者と手をたずさえれば、大量のごみが広がる街も緑豊かな場所に変えられる。
ISSEIさん
「まだ立ち上がったばかりなので、もっともっとこのアカウントを成長させていって、より多くの人たちに夢と希望を与えられたら」
■ 自走を支援 持続可能な世界のために
日比キャスター:
ISSEIさんにお話を伺うと、このプロジェクトの大きなきっかけは「世界のヒーローになりたい」という思いだったそうです。
そんなまっすぐな思いが力となり、発揮されて、海を越えて多くの人たちと繋がり、動かしているんだなと感じました。
南波雅俊キャスター:
支援には色々な形がありますが、「自走できる」というのはまさにSDGs、持続可能な世界を作る上でとても大事なことです。
この動画を私たちが見ることで(ガーナの状況を)知ることにもなりますし、一つの支援になるのはすごくいい取り組みだなと思います。
山内あゆキャスター:
エンターテインメントの力で笑ったり、「次はどうやって相手を喜ばせよう」と思うこと自体がまさに“自走を続けていきたい”“もっとやりたい”という子どもたちの気持ちに火をつけるようなことになったら嬉しいなと思いました。
■ショート動画の需要が高まる理由
日比キャスター:
JICAガーナ事務所の鈴木桃子所長によると「自己表現できる場が少ないガーナの若者にとって、動画配信がその『表現の場所』『プラットフォーム』になっていくのでは」と期待を寄せています。
実際に、ISSEIさんは「子どもたちに『動画作りたい人!』と声をかけたら『はーい!』とすごく前向きに取り組んでくれた」と話していました。
蓮見孝之キャスター:
児童就労の問題はとても深刻です。「自分がやることはごみを燃やして金属を得て売ることしかない」と思い込んでしまうと世界が広がらない。今回の動画制作のように、何か役に立てることがある、することがあるというのは、生きる目的になりますよね。
日比キャスター:
鈴木所長によると、ガーナの携帯電話の普及率は“110%”だということです。背景には格安スマホがあるからだと言われています。
ただ、3Gなどのネット環境が悪い地域もあるため通信料が抑えられるショート動画の需要が高まっているということです。
YouTuberのISSEIさんは「非言語動画には可能性があふれている。世界中のどんな人にでも見てもらえる」といいます。
「支援する」「サポートする」というのはどうしても「してあげる」という印象があります。しかしISSEIさんは「魚をあげるのではなく、魚の釣り方を一緒に教えてあげる」と話していました。
一時的ではなく継続できるサポートを、一緒に頑張って一緒に成長していく、ISSEIさんの思いが伝わりました。
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