心身に重大な被害を及ぼしたとみられるいじめの「重大事態」の発生数が増加していることを受け、こども家庭庁と文部科学省は教員らに向けた重大化を防ぐための留意点をまとめた資料を作成し、インターネット上で公表しました。
いじめの重大事態の件数はコロナ禍の2020年に減少して以降毎年増えていて、直近では、2023年度に1306件、2024年度に1405件と過去最多を更新しています。
重大事態の増加に対応するため、こども家庭庁と文科省は今年(2025年)1月、大学教授や弁護士らで構成される専門家会議をつくり、実際に起きた32の重大事態案件を分析。教員らが活用できるよう、1)いじめの重大化を防ぐための留意事項集、2)いじめの重大化を防ぐための研修用事例集の2つをまとめ、こども家庭庁のホームページに公開しました。
留意事項集では、▼言葉以外のサインの察知、▼特別な支援を必要とする児童生徒に対する理解、▼いじめ対策における組織的対応など、15のテーマに分けて記載されています。
「対応のポイント」として専門家らの意見を踏まえた教員への具体的な助言が盛り込まれていて、▼児童生徒は「大丈夫?」と聴かれると、反射的に「大丈夫」と答えがち、▼いじめは、いじめを受けた者だけでなく傍観者も傷つける、▼担任に対応を任せきりにするのではなく、組織的な体制を整えておくなどが紹介されています。
一方、事例集は、小・中・高校それぞれ2つずつ架空のいじめ事例を示し、「あなたが担任だったら、いじめの重大化を防ぐためにどのような対応をしますか」などの問いを添えて、読み手側に考えを促す内容となっています。
専門家会議の座長を務めた清原慶子・前東京都三鷹市長は、「教員がいじめ対応で気軽に参考にできる資料がなかったので有意義に使っていただきたい」と話しています。
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