2025年は昭和元年から数えて100年。時代を超えて愛され続ける名店の味を紹介します。今回は浜松市のお好み焼きの老舗。味はもちろん、切り盛りする夫婦の人柄で親しまれているお店です。
昭和23年(1948年)創業。浜松市中央区鴨江にあるお好み焼きの「か祢古(かねこ)」です。

店の人気メニューが「遠州焼き」(700円・税込)です。遠州焼きとは、古くから遠州地域で食べられているお好み焼です。店を切り盛りするのは、2代目の金子秀克さん(86)と妻の映子さん(84)です。
<金子秀克さん>
「たくあんが入ります。(特徴は)食べた時の食感ですね」
ふわふわの生地にウスターソースを塗った遠州焼き。一番の特徴はたくあんが入っていることですが、さらに「か祢古」ではこんにゃくも入れています。
<妻・映子さん>
「うちのお店お特徴を出すためにこんにゃくを入れてみようかなと。邪魔にならない味で。私はおいしいと思ってる。自信を持っています」
<常連客>
「おいしい。たくわんとか、こんにゃくとか特別な食感で癖になります」
<秀克さん>
「こちらの方は月曜日の貴婦人」
<客>
「(夫婦で)支え合ってるなって感じを受ける」
<映子さん>
「私がね、支えてるね」
金子さん夫婦が両親から店を継いだのは約25年前。昔もいまも地元の人たちの憩いの場所です。

<秀克さん>
「これが創業者の父です。私を満州の引き上げから帰ってきてずっと育て上げてくれたわけですから。両親はすごく苦労していましたよ。浜松は戦災で焼け野原になって。そこから這いずり上がって親父がいろんな仕事をして、ここにきて子ども相手の駄菓子屋を始めたわけですよ。(客は)親父とお話をしながら食べていたから『おじちゃんこれおいしい。おいしかったよ』とよく言ってくれていた。そういうのは記憶にある」
当時、店ではパンも扱っていました。そのパンを使った店の裏メニュー「ホットサンド」(900円・税込)がいまも残っています。
塩コショウで味付けをした豚バラを卵焼きに入れパンに乗せた、鉄板焼き店ならではのメニューです。

<映子さん>
「その当時サンドイッチに目を付けるってことはね、そういうところは(時代の)先端をいっていた。食パンはまだ珍しい時代だったから」
<小林祐カメラマン>
「胡椒がピリってきいていておいしいですね。癖になりますね」
鉄板を囲めばみんなが笑顔に。先代が残した味と元気な夫婦の人柄が、いまも訪れる人の心を掴んでいます。
<常連客>
「一回会っただけで、お友達になった気分。何年も前のお友達みたい。そういう雰囲気作りができる店ですよね」
<秀克さん>
「本当に両親を感謝してます。こういうものを残してくれていたおかげでずっとやってこれた」
<映子さん>
「お客様とのつながりを作ってお互いに楽しく喜んでいただけたらいいなと思います」














