警察官や検察官をかたる男らに「お金を振り込んでくれれば差し押さえまではしません」などと言われ、80代の女性が現金6780万円をだまし取られていたことが21日までにわかりました。

富山西警察署によりますと今年4月29日、富山市に住む80代の女性の携帯電話に、保険局を名乗る男から「宮城県の病院で睡眠薬があなたに処方されているが、身に覚えはありますか」という電話がありました。

80代女性が心当たりがないと答えると「身に覚えがなければ、詐欺の被害に遭っている可能性があるので、宮城県警に電話をつなぎます」と言われ、宮城県警察中央警察署のトヨタを名乗る男に電話が転送されました。

その後、80代の女性はLINEでトヨタとやり取りを始め「あなたが関わっていないなら、身の潔白を証明する必要があります」などと言われました。

さらに検事を名乗る男からも「守秘義務を守れますか、捜査に協力できますか」と連絡がありました。

トヨタは「本当なら財産を差し押さえる必要がありますが、協力して、お金を振り込んでくれれば差し押さえまではしません」と言い、女性はトヨタの指示通りにインターネットバンキング口座を複数開設し、IDやパスワードを伝えました。

そして女性は、5月14日から6月20日までの間に、金融機関の窓口から開設したインターネットバンキング口座に7回にわたり合計6,780万円を振り込みました。

その後もトヨタと連絡を取り続けていましたが、次第に連絡が途絶えたことに不審を感じた女性は警察に相談し、詐欺の被害に気づきました。

警察は、警察官や検察官を名乗る電話があった場合は、相手の名前や所属部署、連絡先を確認し、一度電話を切って家族や警察に相談するよう呼びかけています。また、「警察官がLINE等のSNSで連絡することはない」として注意を呼びかけています。