基準に合った職員を配置していないのにも関わらず、給付費を不正に受領したとして、広島県福山市は20日、株式会社「地域の風」(中島康晴社長)が運営する放課後等デイサービス3施設に対して1年間の運営停止とする行政処分を行なったと発表しました。

対象となる施設はいずれも市内にある「HEROO(ヘローオ)仲良」「HEROO北吉津」「HEROO泉」です。

市によりますと、3つの施設は22カ月から2カ月にかけて、児童福祉法施行令で定める保育士または児童指導員の人員基準が満たされていない状態で、「障害児通所給付費」を減額する請求をせず、一方で増額となる請求を行い、不正に受給しました。

また「HEROO泉」は事業所としての指定を得るために、無資格の従業員2人を児童指導員の資格があるものとして事実を偽った「実務経験証明書」提出していました。

受給した額は約1830万円で、市は法令に基づき、この額に4割を乗じた額を加えた計約2560万円の返還を求めます。

ことし3月に複数人から市へ内部通報があり、5月から7月にかけ市が監査を行い不正受給であることが分かりました。

市の聞き取りに対し、事業者は「法律に対する認識不足と確認不足があった」と答えているといいます。

3つの施設には小学生から高校生までの計60人の利用者がおり、市は事業者に対して他の施設に移れるよう調整するよう指導しているということです。