東京・赤坂のライブハウスの前で女性が男に腹などを刺され、重傷を負った事件。JNNは事件の一部始終がわかる記録を入手し、男が2時間半ほど前から、ビルとビルの隙間で犯行の機会をうかがっていたことがわかりました。

この事件は今月16日、港区赤坂のビル地下1階にあるライブハウスの前で、音楽イベントに出演予定だった40代の女性が男に腹などを刃物で刺され、重傷を負ったものです。

記者
「事件現場となったビルの入り口です。隣のビルに歩いていきます。ビルとビルの間には隙間があります。このビルの隙間から男が入り口の様子をうかがう姿が確認されたということです」

関係者への取材で、男が事件の2時間半ほど前から、現場のビルと隣のビルとの隙間で犯行の機会をうかがっていたことが新たにわかりました。

JNNの取材で見えてきた、事件前後の詳しい状況をたどります。

事件が起きる2時間半ほど前の午前8時ごろ。自転車に乗った男がビルの前を通り過ぎます。男は2度、ビルに出入りした後、午前8時10分すぎ、隣のビルとの隙間に身を潜め、ビルの入り口で犯行の機会をうかがうように、隙間に隠れたり離れたりして待機。

午前9時40分すぎ、男は隠れていた場所からビルの入り口に向かいます。カバンからスプレー缶を取り出し、出演者の情報を紹介する掲示にバツ印を書きます。

およそ40分後、女性が知人の男性とともに現場に。男は手袋をはめ、ビニール袋を靴にかぶせながら、2人がビルの前で話している様子をうかがっていました。

そして10時24分、女性と男性がビルの中へ入ります。その後、男性がビルから1人で出てきたのを確認し、男はビルの中へ。地下1階に降り、女性を刺したとみられます。

およそ30秒後、男はビルから出てきて、南へ走り去りました。その後、自転車に乗り、現場から西の港区青山の方面へ逃走したということです。

男は犯行の直前に手袋をはめたり、靴にビニール袋をかぶせたりと事前に準備していたことから、警視庁は計画的な犯行で女性を襲撃したとみて、男の行方を追っています。