2023年、愛媛県新居浜市の保育園で給食のリンゴをのどに詰まらせ、現在も意識不明のままとなっている男の子の両親が、保育士を目指す学生らに講義を行いました。

講師を務めたのは田村敦さんと妻の早希さんで、2人は松山東雲短期大学で保育士を目指す学生などおよそ150人を前に、講義しました。

2023年5月、当時、生後8か月だった2人の次男、康至くんは、新居浜市内の保育園で給食の生のリンゴをのどに詰まらせ、40分以上、心肺停止状態となりました。

(母・早希さん)
「康至は今も意識は戻っていません。声を出して泣くことも笑うこともありません。ただ本当に静かに眠っています。康至のようにつらい経験やしんどい思い、私たちの家族のような思いを誰にもしてほしくない」

2人は「同じ事故を二度と起こしてほしくない」と強く訴えかけていました。

(母・早希さん)
「子どもの命を守るのは自分だという意識を持ち続けて、就職して保育園で頑張ってほしい。どうか子どもたちの笑顔を守れる先生になってください」

学生たちは真剣な表情で聞き入り、保育士を目指す決意を新たにしていました。

(学生)
「この話を聞いて、自分が実際に現場に出た時にどうしたらいいかを、またさらに考えさせられた」
「子どもの最善の利益を大事にできる保育士になりたいと改めて思った」