■深刻な電力不足 14歳の心臓手術中に停電が…

ロシア軍のドローン攻撃を受け、大規模停電が発生した南部オデーサ州。暗闇に包まれた街で、市民たちは懐中電灯を持ち、反射材を身に着けて歩いていました。

首都キーウでも…

ウクライナ保健省 心臓研究所 ボリス・トドロフ所長 (11月23日)
「本日、こんな状態で心臓の手術を行っています。人工心肺措置を使った手術です。停電になってもヘッドライトを使って手術を続けています」

停電は14歳の少年の心臓手術を行っている最中に起きました。病院の発電機が稼働するまではバッテリーを使ってしのぎます。

停電のなか、この日10件の心臓手術が行われ、全員、無事に手術を終えました。

ボリス・トドロフ所長
「(停電当時)集中治療室には20人以上の患者がいて、病院には合計190人の患者と300人のスタッフがいました。(停電の)問題は照明だけではありません。電気がなくなると暖房や水道も使えなくなるのです」

長引く停電はスタッフたちの大きな負担になっているといいます。

ボリス・トドロフ所長
「私たちは、懐中電灯を使って家を照らします。今日、電気は2時間しか供給されませんでした。朝2時に起きて、さっと洗濯を済ませました。子どものいるスタッフは家にいると寒いので、家族と病院で一緒に過ごすことが許されています」

あの日、停電のなか手術を受けた14歳の少年は…

ボリス・トドロフ所長
「いま、その子はすでに退院して家にいます。かなり元気ですよ」

プーチン大統領は電力施設への攻撃について…

プーチン大統領
「そうだ、我々がやっている。しかし、誰がそれを始めたのか?誰がクリミア橋を攻撃したのか?」

クリミア橋への攻撃の“報復”だとしました。

しかし、専門家は非人道的な行為を正当化するための“口実”だと指摘します。