病院で処方されている薬のうち、どんな薬が全額自己負担となるのか、医療費の抑制にはどの程度の効果があるのでしょうか。

保険適用外で8500億円の削減効果も・・・

見直しの議論となっているOTC類似薬。そもそも「OTC」とは「Over The Counter」。つまり、「カウンター越し」という意味で、薬局やドラッグストアで手軽に購入できることを指しています。ここから薬局などで買える市販薬は、「OTC医薬品」と呼ばれるようになりました。

一方、こうした市販薬とほぼ同じ成分ではあるけれども、医療用医薬品に分類される物は、「OTC類似薬」と呼ばれています。ここの保険適用を外すかどうかがいま議論になっているのです。

具体的なOTC類似薬をあげますと、「ロキソニン」の名前で知られる痛み止め、「アレグラ」などの花粉症の薬、「PL顆粒」などのかぜ薬などがあります。一方で、タミフルや高血圧の薬はOTC類似薬ではありません。

日本で使用される主な薬は約3万品目あるとされていて、このうち約7000がOTC類似薬です。日本総合研究所調査部・主任研究員の成瀬道紀さんによると、その市場規模は約1兆円。全体の8%ほどを占めます。

仮にこのOTC類似薬に保険適用がなくなった場合、保険料など約8500億円の削減効果があるといいますが、一方で病院に行ったときの薬の値段は高くなります。