2011年の東日本大震災を機に結成された声優ユニット『声援団』によるチャリティー公演が15日、新潟県胎内市で開かれました。
声優の井上和彦さん、かないみかさんら実力派8人が集結し、朗読を通じて地元・胎内市の名所の魅力を伝えたほか、かつてこの地を襲った『羽越水害』の記憶を、地元の子どもたちと共に情感豊かに伝えました。

声優・井上和彦さん

声援団は、東日本大震災発生の3日後に井上和彦さんが中心となり結成。「みんなに笑顔を届けたい」との思いから、朗読や歌を通じた被災地支援や全国の災害支援活動を続けています。今回の公演も、必要経費を除いた収益の全額が寄付にあてられます。

3回目となった胎内市での公演には、井上さんのほか、かないみかさん、勝杏里さん、檜山修之さん、伊藤健太郎さん、甲斐田裕子さん、東地宏樹さんといった豪華声優陣に加え、東地さんの娘でファッション系インフルエンサーの陽世(ひよ)さんの計8名が参加しました。

公演では、胎内市の『樽が橋遊園』や『胎内昆虫の家』、『乙宝寺』といった名所にちなんだオリジナルのドラマが披露されました。
また、58年前に胎内市を襲った『羽越水害』をテーマにした朗読劇『あの日の記憶』では、当時の子どもたちの手記をモチーフに、緊迫した状況を再現。地元の子どもたちも朗読に参加し、会場は聴き入りました。

【朗読劇より】
「みるみるうちに、辺りは川になってしまい、僕は電柱につかまっていた」
「お母さん、早く帰ってきて!お母さん!」

訪れた観客は、プロの声優陣による迫真の演技のほか、子どもたちの熱のこもった朗読に、笑いや感動の涙を誘われていました。

参加した小学生
「すごく緊張したけど、自分なりにたくさん頑張れたので良かったです。災害にもいろいろあるけど、羽越水害は胎内で起きた災害なので、水害のことをもうちょっと勉強したいと思いました」

声援団のイベントは16日も続き、今回の朗読で取り上げられた胎内市の名所をメンバーと巡るツアーが開催されます。