空港に現れた1頭の「子グマ」。さらに、銀行の地下駐車場に入り込んだ「子グマ」。現場は県庁や裁判所などが立ち並ぶ官庁街。今、こうした市街地に親から離れて単独で行動する“はぐれ子グマ”が出没するケースが相次いでいます。

石川県立大学 大井徹 特任教授
「今は母グマと一緒に行動している時期です。今の時期に子グマが単独で行動しているのは、ちょっと異常事態。危険な場所や安全な場所を母グマから十分学習していないと思われます。そのため餌を求め住宅密集地など普通のクマなら出没しないような、とんでもない場所に出没する可能性がある」

今月4日、青森県西目屋村役場に侵入したのも「子グマ」でした。

石川県立大学 大井徹 特任教授
「(子グマでも)かなり力が強い。牙や爪も鋭い。攻撃されれば大きなけがになります」

先月5日、岐阜県の世界遺産・白川郷ではスペイン人観光客がクマに襲われ、けがをしました。襲ったのは子グマとみられています。

また、住宅街などに出没するような「はぐれ子グマ」が増えると、将来的に人間が生活しているエリアを恐れないクマが増えていく可能性があると指摘しています。

これから冬眠の季節。ここにも「はぐれ子グマ」特有の危険性があるといいます。

石川県立大学 大井徹 特任教授
「冬眠する場所の選択については母グマから学習する部分が多い。親から離れた子グマは空き家など思いもかけないところで冬眠をして、そのことを知らずに空き家の中に入った、あるいは近づいた人間が事故にあう可能性があります」