女性に性的暴行を加え、けがをさせた罪に問われた男性に、富山地裁が無罪を言い渡した裁判の控訴審を前に、市民団体が無罪判決に抗議する5801人分の署名を名古屋高裁金沢支部に提出しました。


署名を提出したのは、富山県内の市民団体「性暴力のない社会をめざす会」のメンバーです。

おととし、当時25歳の男性が知人女性に対し、覆いかぶさるなどの暴行を加えて性交し、けがをさせたとする事件で、ことし5月、富山地裁は「被害女性の供述は信用できない」などとして男性に無罪判決を言い渡し、その後、検察側が控訴しています。


控訴審の日程はまだ決まっていませんが、市民団体は12日、年内の区切りとしてこれまで集めた署名5801人分を名古屋高裁金沢支部に提出しました。


性暴力のない社会をめざす会 
小林涼子代表:

「被害を受けて、傷つきながらも声を上げてくださった被害者の方が、あなたは被害者なんだよ、加害者が悪いんだよと裁判所で認めていただけるまで頑張って続けていきたいと思っています」

署名では一審判決が性被害者特有の心理を無視していることなどに抗議していて、被害にあった女性は「判決が出た直後は、世の中、司法、全てが自分にとって敵に感じられ、消えてしまいたい気持ちになりました。控訴審では、私に賛同してくださった方がこれだけいらっしゃったことを少しでも汲んでもらえたらと思います」とコメントしています。