ただ、この日は今月2回目の、ボランティアによる炊き出しがありました。

西本さん「うまい」
――温かい汁物があると違いますか?
「全然違うよ。本当うまい。温かくて」


ボランティアの男性「食が進まないと気持ちも落ちていくので、ちょっと気持ちだけでも上がってくれたらいいなと」

気持ちだけでも前向きに。そう思いたい心情とは裏腹に、どうすれば生活が再建できるのか、何をすれば良いのか、全くわからない状況です。

西本さん「蒸発したい。この現状から逃げたいよ、本心は。八方ふさがりで。将来どういうビジョンを描いたらいいんでしょう。描けないもん」

被災翌月は、廃棄物の処分に困っていた西本さんですが、それが済んで一歩進んだら壁、進んだらまた壁という状況が3か月続いています。

被災の状況・程度がそれぞれ異なるため、被災者全員に寄り添う難しさがあります。

そういった中で、熊本県弁護士会がある制度の改善を求めています。

それが『賃貸型応急住宅』いわゆる「みなし仮設」についてです。大雨や地震などで自宅に住めなくなった人に、自治体がアパートなどを借り上げて提供する住宅のことです。