昨年、好記録が続出したエディオン・ディスタンスチャレンジin京都2022が12月10日、京都市のたけびしスタジアム京都で開催され、ニューイヤー駅伝で2年ぶりの優勝を目指す富士通勢が男子5000mで快走した。東京五輪5000m代表だった坂東悠汰(26)が13分25秒16で優勝し、浦野雄平(25)が13分29秒37の自己新で2位。国内実業団チームに所属するケニア人3選手を抑えたことは評価できた。女子5000mには田中希実(23、豊田自動織機)と廣中璃梨佳(22、JP日本郵政グループ)が出場し、田中が15分06秒42で日本人トップの5位。来年の世界陸上ブダペスト大会の標準記録(14分57秒00)突破はならなかった。

坂東はニューイヤー駅伝経由で年明けの室内へ

目標としていた「(自己新となる)13分15秒切り」は達成できなかったが、フィニッシュタイムの13分25秒16以上に、坂東に強さが感じられた。国内実業団チーム在籍のケニア人3選手をラスト勝負で圧倒した。

「納得いく結果(記録)にはなりませんでしたが、最後に勝ち切れてよかったですね。3000m通過が設定よりも10秒遅くなり、その後は勝負に切り換えました」

ペースが遅くなったのは気温がこの時期にしては高く、陽射しも強かったから。1周400mを64秒(5000m13分20秒ペース)から65秒で走っても、「62~63秒(13分07秒50ペース)のキツさだった」という。

坂東は21年東京五輪5000m代表だが、22年シーズン前半は調子が上がらず世界陸上オレゴン代表入りを逃した。6月の日本選手権(18位)を最後にレースから離れ、夏は「苦手の走り込みを、チームのみんなの力を借りて行った」という。
9月に1500mに2本出場して速い動きを戻し、10月の5000mで13分21秒94、東日本実業団駅伝1区で区間3位、そして今大会のケニア勢を抑えての優勝である。

「夏に走り込んで、秋は順調に狙った大会で走れています。駅伝に向けて良い流れです」

個人種目では年明けに海外の室内に出場するプランを描く。「一番の目標はアジア室内ですが、代表になれるかどうかは選考を待つだけです。代表になれなければ2月のヨーロッパを考えています」。

来年の世界陸上ブダペストの標準記録は13分07秒00と、日本記録よりも高い。だが東京五輪や世界陸上オレゴンの例を見ても、世界ランキングのポイントを地道に積み上げることで代表入りの道が開ける。室内で行われる3000mも、5000mのポイントに加算されるのだ。