クマの被害は、いつになったら収まるのでしょうか?11日、北海道の動物園のカメラがとらえたのは侵入するクマの様子。さらに山形県では名産品のラ・フランスなど2トンが食い荒らされる被害まで。政府は今月中旬までに緊急の対策パッケージを取りまとめる方針です。

11日未明の動物園に現れた1頭のクマ。建物の中に入りたいのか、窓の金網をよじ登る姿がとらえられています。

クマが出没したのは札幌市の円山動物園。ここ数日、クマに繰り返し侵入されていて、2日前には建物の中にあったフクロウのエサがなくなっていたのが確認されています。園は同一個体が出没を繰り返しているとみています。

円山動物園 経営管理課 木田竜介 課長
「動物園にヒグマが入ったというようなことは過去にはなかった。この状況がいつまで続くのかという不安と警戒心が強い状況です」

終わりの見えないクマ被害。人的被害は11日も。

TUY 佐藤友美アナウンサー
「男性は散歩をしていたところ、柿の下にあるやぶの中から出てきたクマに襲われたということです」

11日午前5時すぎ、山形県米沢市で75歳の男性が散歩中にクマに襲われました。男性は自力で自宅に帰り、自ら110番通報したということですが、顔などから出血していて病院に運ばれました。命に別状はないということです。

近隣住民
「かなり怖いですね。一人では外に出られない」

山形県内ではクマによる食害も深刻です。

暗闇の果樹園を歩き回るクマ。狙っているのは山形の名産品「ラ・フランス」です。上山市の果樹園では先月末に連続してクマが侵入し、ラ・フランスなど2トンが食い荒らされました。

長沼果樹園
「枝を折って、この辺に座って梨を食べていた。(枝が)折れてしまって」

クマの侵入を防ぐために「電気柵を設置したい」と考えていますが、コストの問題などから手が回らない状態です。

長沼果樹園
「すみわけという中では(クマが)人里に下りてこないという取り組み、そういうところに手伝いや支援をしていただくと助かると思いながらも複雑な心境」

クマ対策は待ったなし!政府は今月中旬までに緊急の対策パッケージを取りまとめる方針です。

石原宏高 環境大臣
「クマ被害対策施策パッケージの議論も大詰めを迎えていますので、今年のような史上最悪の死傷者が出るような状況を来年は回避できるように、関係省庁、力をあわせて取り組んでいきたい」