強制労働は「嘘」? 経済制裁の効果は…
私たちが訪れたのは、地元政府が取材先として用意した農家です。

記者
「まさに収穫作業を行っていますが、収穫に使う大型の作業車一台で、運転する人以外、ほとんど作業員の姿は見当たりません」
父親の代から40年以上、ここで綿花を栽培しているというウイグル族の男性が取材に応じました。
ウイグル族 綿花農家の男性
「手作業だとコストがかかりすぎるので、機械を使っています」
以前は30~40人が2か月かけて綿花をつんでいたそうですが、6年前に機械を導入。今は3日で収穫が終わるといいます。
アメリカが指摘する強制労働はあるのか聞いてみると。

ウイグル族 綿花農家の男性
「嘘です。見たことはありません」
近所の住民も「機械化されているから強制労働の余地がない」と主張しました。
「綿花」とともに制裁の象徴となった「トマト」。地元政府が私たちの取材のため、トマト農家の男性を連れてきました。
トマト農家の男性
「新疆ウイグル自治区のトマトは色・品質・味、全ての面で優れています」
トマトも2021年以降、アメリカの制裁対象となり、日本の企業も輸入を見合わせるなど対応に追われました。しかし、農地も収穫量も年々増加していると主張しました。

トマト農家の男性
「制裁の影響はありません。(制裁の)効果があるなら、なぜ生産量が増えているのでしょう。中国には13億人います。制裁されるなら国内で食べればいい」
市民も「制裁の影響はない」と口をそろえます。
新疆ウイグル自治区の市民
「制裁は役に立たないと思います。アメリカが買わなくても、他の国が買ってくれるから」
新疆ウイグル自治区の市民
「アメリカの制裁による市民への影響は少ないと思います」
新疆ウイグル自治区政府の幹部もこう主張します。

新疆ウイグル自治区 政府幹部
「新疆ウイグル自治区ではいかなる形であれ『強制労働』は存在しない。アメリカは強制労働を口実に、ウイグルの企業や個人に制裁を科しているが、その本質は人権を隠れ蓑にした政治的陰謀と経済的ないじめである」

9月、新疆ウイグル自治区成立70年を祝う式典に出席するため、ウルムチ市を訪問した習近平国家主席。いかにウイグルが経済的に発展したかを強調したうえで、漢族との同化政策をさらに進めるよう指示しました。














