大阪府が府立高校再編を進めるなか、市民団体が存続を求めて署名を提出しました。

 府立高校の存続などを求め、市民団体は7日午後、大阪府教委に8000筆以上の署名を提出しました。

(大阪の高校を守る会・志摩毅事務局長)「少子化だからと言って高校をつぶすのではなく少子化をチャンスに教育条件の改善してほしい」

 府教委は門真市の門真西高校と羽曳野市の懐風館高校を5年以上定員割れが続いているることなどから、再来年度から募集停止の方針を示しました。

 府の条例では3年連続で定員割れし改善が見込めない府立高校は再編整備の対象になると定められていて、条例が施行された2012年以降17校が廃校し、11校が募集停止となっています(※門真西と懐風館は含めず)。

 一方で大阪府では、去年度から段階的に私立高校の授業料無償化を進めていて来年度からは、全学年が対象になります。

 大阪府富田林市に住む北谷綾乃さんは、5人の子どものうち中学2年の息子が来年度、高校受験を控えています。進学先として懐風館高校を候補の1つに検討していたため、募集停止の方針に困惑しているといいます。

(北谷綾乃さん)「募集停止になって子どもたちが次入らなくなる高校を、親として勧めるべきなのか」

 授業料が無償化された私学も選択肢の1つですが、5人の子どもで家計が苦しい中、通学費用や入学金の負担などがネックだと話します。

(北谷綾乃さん)「私学の入学金がなくなったわけではないですし、公立の高校に行きたい子どもたちは公立に行ける幅を持たせておいてほしい」

 府教委は、少子化を見据えて府立高校の数を15年後に32校減らすことが適正との試算を発表。公立高校が市内に1校もない地域について、教育長はどのように考えているのでしょうか。

(水野達朗教育長)「エリアや交通網で一定考えていき、エリアの子たちが通う所がなくなるところはないだろうと判断した」

 要望書を提出した市民団体は、幅広い層の生徒の受け皿として高校を維持すべきだと主張します。

(大阪の高校を守る会・志摩毅事務局長)「中学校時代うまくいかなかった成績が悪かった。でも、頑張ろうという風に思った子供たちが、いける学校という意味での地域の学校が1つの受け皿として必要」

 府教委は「廃校にしないでという声は重く受け止めている」などとしています。