福島県内で長く愛されている老舗の今を伝える『老舗物語』。今回は、郡山市の精肉店です。卸しをメインとしていますが、立地の強みを生かした新鮮なお肉、また国内でも珍しい品種の豚肉のオリジナルブランドを立ち上げました。
あふれ出る肉汁に、しっかりとした肉のうま味が凝縮されたお肉。こちら国内でも珍しい品種の豚肉をオリジナルブランドとしていま推している『あだたら豚 極』です。
その“あだたら豚”のブランドを立ち上げたのは郡山市富久山町にある『オクヤマフード』。
--奥山萌さん(オクヤマフード 専務取締役)「祖父が富久山町の商店街で小売りの精肉店を始めたのが始まりだと聞いております。対面販売の形で販売している精肉店。」
創業から75年。小売店から始まったお店ですが、現在は飲食店をメインとした食肉卸しを行っています。牛・豚・鶏などお客さんの要望に応える形でお肉をスライスし出荷しているんです。
その中でも、『オクヤマフード』の強みというのが・・・
--奥山さん「豚のモツが他の肉店よりは飛び抜けて、取り扱いの量が多いのかなと思います。」
ぷるっぷるで柔らかなモツは、卸しを始め、自社で製造する惣菜としての販売も行っていて、オクヤマフードを代表する商品の一つになっています。
その自信がうかがえるのが、配送車にも。そこには「内臓道」の文字。
--奥山さん「モツが強いというのを一般の方に伝えるようにしたいと、“内臓道”というのがなかなか聞き慣れない言葉だと思うので、トラックで走っていると『内臓道って何?』とか結構電話がかかってきたりとか、『こういうもの持ってますか?』など問合せは増えたと思いますね。」

モツに力を入れたのも、ある理由がありました。
--奥山さん「と畜場が近い立地というのがありまして、場所が近ければすぐに仕入れて、鮮度がいいものを処理してお客さまに届けられるというのがあります。」
立地を生かし、新鮮なモツの卸しや加工をメインとすることで、ほかの精肉店との差別化をはかってきました。また、2年ほど前からは新たな取り組みも始めたのです。
--奥山さん「『あだたら豚 極』というオリジナルのブランド豚を。LDMという三元豚の掛け合わせで、三種類の豚を掛け合わせたもの。ランドレース種、デュロック種、ハンガリーの食べられる国宝と言われる『マンガリッツァ』を掛け合わせています。」
特に『マンガリッツァ』は国内でもその種を持っている畜産農家は数軒で大変希少な品種。さらに、飼育期間も通常の豚よりも1ヵ月長く飼育し、子豚の時からエサに米を与え続けることで、脂身がおいしい豚になるそうなんです。
あだたら山をのぞむ、本宮市の農場で飼育されています。まだ本格販売を始めたばかりの『あだたら豚 極』。
--奥山さん「脂の質がしっかりしているというか、一般の豚とは脂の質が違いますね。この肉の色がしっかりしているのが特徴です。赤みがちょっと強いのと、サシが入っている。一般の豚よりお値段がちょっといいお値段がするので、レストランやホテル、天ぷら店などちょっとハイグレードなお店で扱ってもらっていいます。」
とろける甘みのある脂に、うま味が強い濃いピンクの赤身。シンプルにソテーするとよりおいしさが分かる『あだたら豚 極』。そのおいしさを手軽に味わってもらいたい。また、オリジナルブランド販売への裾の尾を広げたいと、贅沢に総菜も作り始めました。チャーシューやスペアリブなど5種類ほど。
--奥山さん「ちょっと特別な日や贈答品などに使ってもらいたいです。」

モツをはじめ、新たなブランド『あだたら豚 極』を少しずつ知ってもらい、広げていくための活動を続けていきます。
--奥山さん「モツに関しては、祖父、今の社長から続けて販売している会社の武器だと思うので、それは崩さず、モツ、あだたら豚、総菜の3つの武器でこれからも頑張っていきたいですね。」
『ステップ』
福島県内にて月~金曜日 夕方6時15分~放送中
(2025年11月7日放送回より)














