50年前は売れずに「撤退」…それがナゼ今?

そもそもカップライスが販売されたのは、今から50年前の1975年。

「カップ麺の次はお米を使ったヒット商品を!」という思いから『日清食品』が開発し、「エビピラフ」「ドライカレー」「五目寿し」「赤飯」など7種類が発売されました。

しかし売り上げは伸びませんでした。

『日清食品』マーケティング部・中村圭佑さん:
「ラーメンは家で作れないけど、ご飯は家で炊けばいい。当時は“米を毎日炊くのが一般的”でまだ需要がなかった。そして生産から“一時的に撤退”した」

それでもカップライスの研究は続けられ、2014年に満を持して「日清カレーメシ」を発売すると、これが大当たり。「単身世帯も増えて個食タイプの需要が高まった」(中村さん)ことや、共働きなどで「毎日お米を炊かない」家庭も増えたことで売り上げは右肩上がりに。

そしてもう1つ、カップライスが世間に浸透した“画期的な出来事”もあったようです。

『日本食糧新聞社』山本圭さん:
“お湯かけの調理”になったことで、コンビニからお湯を注いで持って帰れるようになりコンビニでの取り扱いが増えた」

それまでは「水を入れてからレンチン」だったのが、「お湯を注いで待つだけ」というカップラーメンと同じ作り方に。
こうして“究極のタイパメシ”として若者の支持を得るようになっていったのです。

「時間をぎゅぎゅっと短縮したいので、カップライスはタイパとコスパがいい」(20代女性)
「テスト期間は勉強に追い詰められて週に3~4回食べる。すごく重宝している」(20代女性)
「パックご飯だとおかずを用意しないといけないけど、カレーメシとかは味がついてるから手軽でおいしい」(20代男性)

さらに、片付けのラクさを挙げる人も。

20代女性:
「カップ麺は排水溝に流すと詰まる。流さずに捨てられるから掃除の手間が減るのがいい」

50年の時を経て時代に呼ばれたカップライスが、“令和の新定番”として広がりを見せています。

(THE TIME,2025年11月7日放送より)