広島市での新たな博物館の必要性について考える専門家の検討会議が開かれました。博物館はいるのか、いらないのかー。広島市は、整備の可否を探ります。

博物館の在り方検討会 東京大学大学院 准教授 松田陽 座長
「どのような博物館が望ましいのか、何らかの形で良い合意ができれば」

広島市役所で開かれた検討会には、大学教授らが出席しました。

博物館を巡っては、いまから約40年前の1983年、広島市が南区の比治山公園に海外移民の歴史や民具などを展示する「人文社会系」の博物館を整備する構想を掲げました。しかし1998年には、財政難を理由に計画が凍結されていました。

広島市が、これまでに収蔵した資料は全部で21万点を超えていて、保管している市内5か所の収蔵施設は老朽化していることなどが報告されました。

委員(政策研究大学院大学)垣内恵美子 名誉教授
「バーチャルの時代、施設を作ることだけが重要か」

広島市市民局 光田直史 文化スポーツ部長
「“あり方”とは、前提として建物をつくるというのではなく『その施設はいりますか?』ということを根本的に議論したい」

委員からは「被爆前の広島市の歴史を学ぶ、中核的な博物館があってもいい」などの意見が出ました。

検討会での議論をもとに広島市は2026年度末に方向性を出す予定です。