静岡県沼津市にある「ジャム工房FIKADO」。店内には静岡県を中心に厳選した旬の果物などを使った20種類以上のジャムが並びます。

<ジャム工房FIKADO 堂迫愛さん>
「季節によって移り変わっていくので、年間通したら100種類くらい。常時20種類前後はあります」
Q:どうしてこんなに増えた?
「おいしい果物がたくさんあるからです。東京・八王子でジャム職人をやっていたんですけど、伊豆半島の豊富な柑橘、静岡全体も果物が豊富なので、静岡県がいいなと思って移住してきました」

今回の「しずおか産」は、伊豆半島の柑橘のおいしさを詰めた、ジャムの一種マーマレードです。

ジャム職人歴15年の堂迫愛さん。静岡の果物に魅せられた堂迫さんは、これまでマーマレードを中心に100種類以上のジャムを生み出してきました。

堂迫さんは、同じマーマレードでも果物ごとに味の違いを引き出すため、煮込む鍋や時間を変えるなど、調理法を工夫しています。

例えば、爽やかな香りと酸味が特徴のシークワーサー。いったいその味は…?

<萩田真央記者>
「おいしいです。シークワーサー独特の苦みもあって、大人が好きそうなジャム」

<堂迫さん>
「ヨーグルトとかタンパク質とあわせると、苦みを感じづらいのでよりおいしく食べられるかなというのと、大人ならではのお酒に溶いたりとかドリンクにしたりとかっていう使い方もできます」

海に囲まれた温暖な気候で、柑橘の宝庫ともいわれる伊豆半島。静岡県南伊豆町にある「自然農園 日本晴」では、年間で約50種類の野菜を栽培しているほか、シークワーサーも育てています。

<自然農園日本晴 欠掛隆太さん>
「シークワーサーといって、沖縄が原産(とされる)柑橘なんですけど、うちは基本的に栽培期間中、農薬に頼らないことを徹底していて、(ジャムに)皮まで使うので農薬に頼らないものを使いたいっていうのがあるんじゃないかと思っているんですけど」

収穫時期を迎えたばかりのシークワーサー。果実が青く、熟す前の「青切り」という、一番香りが強い状態のものをジャムに使用しています。

<欠掛隆太さん>
「おいしいです。酸味が強いですけど」

<自然農園日本晴 欠掛奈々さん>
「品種の味の良さが出やすいのが特徴です。そこをFIKADOさんもすごく気に入ってくださっていて、短時間で香りを損なわずに煮るFIAKDOさんに、自然栽培の柑橘がマッチしているのかなと思っています」

<欠掛隆太さん>
「どの時期のどの果物を選べばいいのか徹底して仕入れているんだなっていうのはジャムを見て思いました」

<欠掛奈々さん>
「(堂迫さんは)匠だよね」

<欠掛隆太さん>
「プロですよね」

<堂迫さん>
「まだまだ使ったことのない食材、果物があるので、探して新しいものを作りたいです。全ての果物をジャムにしてみたい。なんでもできるよって言いたい」

伊豆の豊かな恵みと、果物を愛する探究心が、ジャムに詰まっています。

FIKADOのジャムは沼津市のふるさと納税の返礼品にもなっており、お店は不定休のため、事前に確認してほしいということです。