EV(電気自動車)の覇権争いが本格化する中、メーカー各社の戦略とは?大学時代は自動車部に所属し、A級レーサーでもある皆川玲奈キャスターが最先端の現場で聞く。
「センチュリー」のクーペに“江戸彫金”や“西陣織”
10月30日、日本最大級の乗り物などの祭典「ジャパンモビリティショー2025」が東京ビッグサイト(東京・有明)で開幕した。
今回は、過去最多となる517の企業や団体が出展。
自動車の国内A級ライセンスを持つ皆川玲奈キャスターと、「日本カー・オブ・ザ・イヤー」の選考委員でもあるモータージャーナリストの小沢コージさんが各社注目のクルマを取材した。

まずは世界販売トップの『トヨタ自動車』。
大衆車のイメージが強い「カローラ」がスポーツカーデザインになったコンセプトカーや、タイヤが前2つ後ろ4つの“6輪”になった「レクサス」のミニバンなどが展示されている。


この6輪車。後輪が前輪より小さいのが特徴で、後部座席のスペースが広がるため快適さが増しているという。
中でも力が入っていたのが、最高級ブランド「センチュリー」のコンセプトカー。
センチュリーは皇室が御料車としても使用している「黒いセダン」というイメージが強いが、今回発表されたのは「オレンジカラー」のスポーティーな「クーペ」。

エンブレムには江戸彫金。シートには西陣織などを豪華に取り入れ、「日本のものづくり」を強調した世界に一台だけの試作車だ。
『トヨタ自動車』豊田章男会長:
「“最高峰にして別格のクルマ”。このクルマは日本を背負って生まれたと私は思っている」
センチュリーのクーペは「今回のモビリティショーですごくビックリした1つ」と話すモータージャーナリストの小沢コージさんが、開発の狙いを聞いた。
――豊田会長がブランド化して、これで世界に打って出る?
『トヨタ自動車』清水竜太郎さん:
「まずはコンセプトモデルを出した。センチュリーがもともと大事にしていた日本のものづくりや日本の技術・伝統みたいなものをしっかり使って、『ジャパンプライド』という言葉も豊田会長から出ていたが“世界に誇れる日本のものづくりの象徴”みたいな形でやっていきたいと思っている」

――トヨタが本気で富裕層ビジネスに参入する?
清水さん:
「富裕層向けに参入ということも考えていけたら」
レクサスを超える高級ブランドとしてセンチュリーを育て、これまでロールスロイスを買っていたような富裕層向けの市場に打って出る構えだ。














