米中首脳会談「完全にアメリカの負け」

日米首脳会談の2日後、トランプ大統領と習主席の米中首脳会談が韓国・釜山で行われた。6年ぶりとなる対面での会談は約1時間40分。そこで交わされた合意内容がー
【中国側】
▼レアアース輸出規制強化⇒1年延期
▼米産大豆の輸入⇒大幅拡大
▼フェンタニル流入⇒対策強化
【アメリカ側】
▼禁輸企業リスト拡大⇒1年延期
▼港湾使用料徴収⇒1年延期
▼フェンタニル関税⇒20%から10%に
また、トランプ大統領は「中国が米国産エネルギーの購入の検討を始めることで合意した」とSNSに投稿。
そして会談後、アメリカに向かう機内の中で中国との首脳会談をこう評価した。
トランプ大統領:(30日)
「今回の会談は10点満点中12点だ」
しかし、細川さんは疑問を口にする。

『明星大学』教授 細川昌彦さん:
「10点満点中12点だと満足げに言っているが、私は“完全にアメリカの負け”だと思う。アメリカもあまり言いたくなくてほとんど報道していないが、9月29日にアメリカが中国に対して出した<エンティティリストの強化>を1年延期させられている」
<エンティティリストの強化>とは、例えば、A社という中国企業が禁輸対象の「エンティティリスト」に掲載されているとする。その禁輸対象をA社だけでなく、「A社が株式の50%以上を保有する子会社」にも拡大するというものだ。

細川さん:
「エンティティリスト強化案は、これまで中国が作ってきた“抜け穴”を防ぐために出したが、これがものすごく効くので中国が怒っちゃった。それで対抗して10月9日にレアアースの輸出規制の追加版を出してきた。4月4日に出した規制をさらに強化すると。結局は首脳会談でエンティティリスト強化もレアアースの強化も一年延期となったが、4月のレアアース輸出規制はそのまま温存される。しかもアメリカ側は一番大事なエンティティリスト強化を1年延期させられて、その1年で中国側はさらなる抜け穴を作る準備もできてしまう。これは相当な譲歩で、明らかにアメリカの負け」
(BS-TBS『Bizスクエア』2025年11月1日放送より)














