「子どもの声がうるさい」ある一軒の住民の苦情により、子どもたちが遊んでいた公園が廃止されることになりました。子どもの声は“騒音”なのか。「考え直してほしい」という声も上がる中、地元の長野市長は議会で「このまま手続きを進める」と述べました。
■「子どもの声がうるさい」公園廃止へ 苦情は1軒から

住宅街の一角にある公園には今、子ども達の姿はなく、ひっそりと静まり返っています。長野市にある「青木島遊園地」。2023年3月で廃止することが決まりました。
近隣住民
「本当に悲しいなという思いでいっぱいですね。廃止をもう1回考え直してほしい」
「子どもを大事にしてほしいなと本当に思います」
廃止の理由は、騒音。発端は近隣住民からの苦情でした。12月8日に行われた長野市の会見では…
記者
「苦情や問い合わせは何軒・何名から出てきているのでしょうか?」
担当者
「実際に緑地課に寄せられていたのは、1軒でございます」
記者
「その1軒で、廃止に向けて動きが進んできたということですか?」
担当者
「1軒からのご意見なんですけども、やはり1軒といえども、ご意見を頂いているので」

苦情を寄せたのは1軒だけ。多くの子どもの遊ぶ声や児童センターに迎えに来た車のエンジン音が騒がしいなどと訴えていたということです。その後、市は公園の出入り口を変更したり、消灯時間を早めたりするなど対策を実施。
しかし、児童センターにも2021年、住民から直接、騒音の訴えがあり、公園を利用する子どもはほとんどいなくなったといいます。
近隣住民
「そこの公園が使えないから、もっとずいぶん遠くの、大きな通りを挟んだ向こうの公園まで先生が(子どもを)連れて行って遊ばせているっていう話を聞いた」
問題の公園は、利用者がいなくても草刈りが必要な上、民間から借りている土地なので借地料もかかります。
こうした事情もあり、地元の区会長から廃止を求められた市は、2023年3月に廃止することを決めました。