12月5日に国境から数百キロ離れた2州の空軍基地で爆発がありました。モスクワに近いところで攻撃を受けたということでかなり衝撃を受けていて、知人は首都の南160キロの街に攻撃があったということで「いよいよ怖い」とメールしてきました。ロシアが実はピンチになってきているという国内世論の中で、プーチン大統領も非常に厳しい状況に追い込まれてるということです。
―――2ヶ所はいずれも軍事施設の攻撃ということです。中村先生が現地の情報などから考える二つの可能性とは。まず一つ目のリャザン州での攻撃、なぜ首都近くを攻撃できたのかというと「ロシア国内からウクライナの協力者を利用して撃った可能性」
(筑波大学 中村逸郎名誉教授)
いま私達は日本で接している情報は、ウクライナが旧ソ連製のドローンを改良して600~800キロ飛べるようなものに改良して撃ったんじゃないかというもの。ところがね、きのうロシアの防空施設システムの元責任者がロシア主要紙のインタビューに答えて『ウクライナからここまで打つことは到底不可能だ。なぜかって言うと防空システムが何重にもなっていて、例えばドローンが上空50mを飛んだとしても無理で、何らかのカメラでも残ってるはずだ。それはありえないだろう』と。じゃあ何が考えられるかというと、実はロシア国内のリャザン州周辺から発射されたんじゃないかと。ウクライナの旧ソ連型ドローンの改良型だとしても、リャザン州の近くに持ち込んでいて、もちろんロシア人の協力者がいて、撃ったんじゃないかって、本当に現場をよく知っている人が重要な発言をしています。ロシアで本当に読まれている、ソ連時代からある大きな新聞がそう報じているんです。
―――そして二つ目はサラトフ州で起きた攻撃の背景に「旧ソ連のカザフスタンが協力。防空システムを制御した可能性」という話があるようです。
今すごく仲が悪いんですよ。トカエフ大統領は、プーチンさんに付いていけないと、プーチン離れをして、併合した四つの州をロシア領だと認めないということを言っている。サラトフ州に撃たれたものはカザフスタンの国内から撃たれたんじゃないかと。最も近い150キロで何が起こったかっていうと、実は先ほど言ったウクライナで作った改良型ドローンがカザフスタンに運び込まれて、そこから撃ったんじゃないかと、先ほどの軍事専門家が言ってるんです。
ではなぜ撃つことができたかっていうと、実はロシアとカザフスタンの防空システムが問題なんです。ロシアが防空システムを作っているわけじゃないんです。旧ソ連の6カ国の軍事同盟がシステムを作っていて、まさかロシアとカザフスタンがそういう関係になると思ってないのでシステムが甘いわけなんです。
ロシアにとってウクライナとカザフスタンって、旧ソ連の中でも強い絆で結ばれてるとこなんですね。ですからウクライナを敵に回している。そしてカザフスタンも敵にまわして、ウクライナと連携を強化してきたとなると、どんどんプーチン大統領への包囲網ができてきてるというところで、今回のドローンのようなことが起こってるとみられるんです。
―――まだウクライナが攻撃したか明らかにはなっていないんですがモスクワに近いところで、非常にこれ大きな出来事です。
実はですね、プーチン大統領は今回の動きを見て、ロシアの国益が失われた場合、あらゆる手段で反撃するって言ってんです。あらゆる手段の中に当然核が含まれているんじゃないかと、そのくらい今回の出来事は大きい。プーチン大統領にとって攻めてばかりいたんですけど、今度受け身に回ってるわけですねですがそこで核の使用が考えられてくるという状況に変わってきてるわけです。
―――核の使用の可能性はどういうふうに考えますか。
結構あるんじゃないか。なぜかっていうと、本当にこういう核とかいう言葉をプーチン大統領ね、発言しちゃ駄目なんですね。だけど、どんどん繰り返して発言してくると、もうそれが本当に実際にやってしまうんじゃないかと。ハードルがどんどん低くなってきてるっていうところが怖いところなんです。














