限られたエネルギーをどう使うか

ーキンモクセイが限られたエネルギーを「成長」「繁殖」どちらに使うか判断するのですね。

大野竜徳さん

「限られたエネルギーを『自分を大きくする』か『子孫を残す』か、どちらに振り分けるかを決める必要があります。

この切り替えのタイミングを決定するのが花芽分化と呼ばれる現象で、多くの植物では、気温や日照時間などの環境条件を手がかりにしています。

ところが、異常高温が続くと、このシグナルが乱れ、植物が『季節を読み間違える』ことがあります。

つまり、『そろそろ秋だから花をつけよう』と準備を始めたものの、暑さが戻って一度成長モードに戻り、再び気温が下がった際に『やはり今が花の時期だ』と再度開花を始める。これが二度咲きの仕組みのひとつと考えられます。

植物も本来は周囲と一斉に花を咲かせたいのですが、気候の変化によって『タイミングの迷い』が生じているのかもしれません」