数々のトップアスリートを輩出している沖縄県のウエイトリフティング競技。
東京オリンピックには糸数陽一選手と宮本昌典選手が出場し、それぞれ入賞を果たすなど、そのレベルの高さが伺えます。
こうした中、ウエイトリフティング・世界最重量級でパリオリンピックを目指す、期待が集まっているのが知念光亮(ちねん こうすけ)、26歳です。
知念光亮選手
「迫力が違うので、どの国際試合に行っても最重量級の試合は満席になって」
知念選手の身長は185センチ、体重155キロ以上。日本人には不利と言われてきた最重量級で世界が見えてきました。
知念光亮選手
「考えて練習して勉強しながら、やっていくことによって、今でも1年間で10キロ以上トータルが伸びたりする。世界でも通用するようになるなと、ゴールが見えてきたので」
10月の国体でスナッチで自己ベストを7キロ上回る193キロに成功し日本記録で優勝した知念。クリーン&ジャークでも自己ベスト(228キロ・大会新)を更新しトータルは421キロ(トータル2位)。自己ベストから10キロ記録を伸ばしました。
好調の要因は、ウォーミングアップの長さに見ることができます。
Qアップにはどれぐらい時間をかける?
知念光亮選手
「全部で2時間ぐらい、1時間半ぐらいかかっている。若い時と違って、練習するにあたって、準備運動をやったりコンディショニングが一番大事になってきて、自分に合ったものを何サイクルもやって試しながら1年間やってだいたいつかめてきたので」
ウォーミングアップを入念に行い、筋肉量を増やしながら、柔軟性も維持する。体づくりを見直したことが記録向上につながったといいます。
練習パートナーで、11月の全日本女子を制した福里悠(ふくざと はるか)選手は…

福里悠選手
「すっごい大きい人がいるなと思って、たぶんそこはみんなと変わらない印象だと思うんですけど、めちゃめちゃ優しいですよ」
「バーベル握った瞬間、切り替えがすごくて、体だったり、めちゃくちゃ研究していて、そういうところはすごいリスペクトしかないです」
高校2年で全国総体日本一に輝き、世界ユース選手権では6位入賞。常に世界を目指してきた知念。しかし去年の東京オリンピックは選考レースの途中で太ももを負傷し選考レース参戦を断念しました。

知念光亮選手
「そこでちょっと足踏みしちゃったかなというのはあるんですけど、中途半端にできているよりも一回できない状態になったときに、何が必要かが見えてくるので、それも失敗ではなかったのかなと」
「自分はパリ五輪を狙うと心に決めて」
パリオリンピックに気持ちを切り替え自身の体を研究し、充実した練習を続ける知念。今月には世界選手権を控えるこの日は、日本記録に近いスナッチ190キロに挑戦しました。
失敗に終わるものの、即座に入念にそのフォームをチェックする姿がー
知念光亮選手
「フォームが作れてはいるんですけど、まだ100%だしきれていないかなっていう、本当に1センチずれただけで挙がらないのでウエイトリフティングは」
「パリ五輪ではメダルに入る重量をとらないと、他の階級もそれぐらい挙げてくるので、しっかり1年半後の最終選考に向けて無駄な時間を過ごさないように、1日1日大切に頑張っていきたいと思います」

国内では3人しか出場枠がないパリオリンピック。世界を見据えた、練習の日々が続きます。