福島県内をはじめ、全国でクマによる被害や住宅街での目撃が相次ぐ中、国が対策の強化に乗り出すことになりました。
木原稔官房長官「国民の安全安心を脅かす深刻な事態です。国民の命と暮らしを守るため、追加的・緊急的なクマ対策を強化いたします」
政府は30日午後、木原官房長官をトップに環境省や防衛省など8つの省庁からなる初めてのクマ対策の閣僚会議を開催しました。
会議の中で、木原長官は住宅街などに侵入してきたクマに対し、自治体の判断で発砲を可能とする「緊急銃猟」を拡大し、警察官や狩猟免許を持つ公務員が速やかな駆除に協力できる体制をとれるよう、関係省庁に指示しました。
木原長官はこうした緊急のクマ対策パッケージを11月中旬までにとりまとめるよう指示しました。
こうした中、福島市では鳥獣対策の専門家が、緊急で地域住民にクマ対策の指導を行いました。

福島市西部にある吾妻地区の天戸川沿いでは連日クマの目撃情報が相次いでいて、今年度に入り、これまでにおよそ40件に上っています。


周辺には住宅が並び、クマのエサとなるカキやクリの木も…この日は県の緊急対策事業の一環として、地域住民や県、それに市の職員も参加し、専門家からクマを追い払う花火の打ち方を教わりました。
さらに、専門家と天戸川周辺を歩き、クマ出没の要因となるものを確認しました。
東北野生動物保護管理センター 今野文治さん「大きいクマ、登れないんですよ。枝細いし、横枝がそんなにないんで。ただそこ(近くで)クマが目撃されているんだったら伐採対象として」
伐採対象となる木は印をつけ、持ち主の許可を得たうえで、後日伐採作業を行うということです。

庭塚北部区区長二瓶健治さん「(専門家に)「ここ伐採した方がいいよ」とか集積所とかそういう(クマを寄せ付けない)対策を町内会でも取り組んでいきたい」
東北野生動物保護管理センター 今野文治さん「身の回りに(クマが)誘引されているものはある。常にクマが潜んでいるのではないかという意識をもって日々活動してほしい」

県によりますと、いまクマ対策について、多くの市町村から要望を受けていて、今後、目撃や被害情報のあった地域を優先的に専門家を派遣するなど支援していくことにしています。














