静岡県伊東市の田久保市長が31日に失職することが決定的な状況のなか、30日までに複数の市議会議員に脅迫文が届いていたことが分かりました。名指しで脅迫する内容で、議員の有志は31日の臨時会を前に警察に被害を相談しました。

<記者>
「市長おはようございます。きのう不信任決議案が、(臨時会で)提出されることが決まったんですけれども、あすの臨時会はどのような対応で臨まれますか?」

<伊東市 田久保真紀市長>
「はい」

<記者>
「どういった気持ちで通常業務に臨まれますか?」

こうして田久保市長が市長室に向かうのは、10月31日が最後になるかもしれません。

市議会は29日に代表者会議を開き、31日の臨時会で田久保市長に対する不信任決議案を再び提出することを正式に決め、市長の失職が確実な状況となっています。

田久保市長にもう一度「NO」を突き付ける伊東市議会ですが、議員の複数人に対し脅迫文が届いていた事が明らかになりました。

<脅迫文の内容>
「くたばれ。テレビと新聞のオールドメディアの偏向報道と共に」

市議らによりますと、30日までに17人の市議の自宅や事務所に脅迫文が届いたということです。脅迫文はいずれも手書きとみられ、市議を名指しで脅迫する内容が書かれていました。

この事態を踏まえて市議の有志は30日、被害を相談するため伊東警察署を訪れました。

<伊東市議会 杉本一彦市議>
「(脅迫は)民主主義を揺るがす決して許されない行為ですから、絶対にやめていただきたい」

そのうえで、31日の田久保市長の失職がほぼ確実になったことについては。

<杉本市議>
「多くの市民がこの日を待ち望んでいたと思いますので、そのあたりはちょっとほっとしてはおりますが、こういった脅迫文が届いた事もありますから、最後の最後まで緊張感を持って審議にあたっていきたい」

いよいよ31日に迫った不信任決議案の再提出。可決によって5か月間続いた田久保市政に終止符が打たれる事になります。

31日の伊東市議会の臨時会は午前10時から始まります。田久保市長に対する不信任決議案は、補正予算の報告承認や、台風15号の災害復旧費など新たな「補正予算案」の審議が行われたあとの臨時会閉会直前に提出・可決される見通しです。

失職が決まったあと、これまで明言を避けてきた次の市長選への立候補について田久保市長から発言があるかにも注目が集まります。