宮城県上空には28日からこの時期としては強い寒気が流れ込み、蔵王の山頂付近には雪が積もりました。29日にはこの雪が宮城野区にある仙台管区気象台からも見えたため、蔵王の初冠雪が観測されました。平年より1日、2024年より9日ともに遅い観測となっています。さて、秋から冬にかけて気象庁から発表される季節現象にはほかにも初霜、初氷、初雪といったものがありますが、実はこのうち初霜と初氷についてはこの冬から観測を行わないことになりました。

仙台管区気象台では、敷地にある草に霜が降りたかどうかを職員が目視で確認し、初霜を観測してきました。
星野誠気象予報士「また、気象台では初氷もこちらの容器に水を張って観測してきましたが、これも終了となりました」

気象庁は近年、ホームページやアプリで気温などの情報が詳しく提供できるようになってきたとして初霜と初氷の観測の終了を決めました。

仙台管区気象台 観測整備課 畠山孝浩 主任技術専門官「アメダスやレーダー、気象衛星ひまわりなどの最新の観測技術を用いまして、推計気象分布などの面的な気象状況を発表できるようになってきたというのが理由になります」


推計気象分布は、気象庁ホームページに載せられている図で、毎正時の各地の天気や気温、日照時間を数値と色で現したものです。例えば29日午後6時の宮城県の気温の図を見ると、平地では広く10度を下回ってきていて、奥羽山脈の標高の高い山では0度前後になっているということが分かります。
また、仙台管区気象台の畠山さんによりますと、気象庁では2025年4月から「デジタルアメダス」という任意の地点の(推定された)気象データや今後の予報が確認できるアプリを公開しており、こうした情報の提供が始まったことも初霜・初氷の観測を終了した理由の一つだとしています。
なお、仙台管区気象台では仙台の初雪については2024年から職員の目視ではなく装置を用いた自動観測としており、仙台の初積雪については2024年から観測を取りやめています。














