29日、令和6年度「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」結果が公表されました。小中学校を中心に暴力行為やいじめの認知件数、不登校の児童数が前年度から増加しています。
暴力行為:小学校で大幅増
令和6年度に全国の公立小・中・高校で発生した暴力行為の件数は123,503件となり、前年度(104,119件)から約2万人増加しました 。
▶小学校: 81,209件(前年度比 13,066件増)
▶中学校: 38,232件(前年度比 6,071件増)
▶高等学校: 4,062件(前年度比 247件増)
特に小学校での増加が顕著です。
形態別では、「生徒間暴力」が最も多く、小学校で60,995件 、中学校で27,100件 でした。
長崎県でも増加しており、長崎県教委は増加の背景として、「生活環境の変化などによるストレスが原因となり、感情を抑えられず、ふざけてぶつかるやたたく・蹴るなどの事案が増加している」と分析しています。
いじめ:認知件数が増加、ネットいじめも
全国の公立小・中・高・特別支援学校で認知されたいじめの件数は、合計754,886件となり、前年度(719,915件)から増加しました 。
▶小学校: 603,816件(前年度比 21,013件増)
▶中学校: 132,540件(前年度比 12,920件増)
▶高等学校: 15,063件(前年度比 769件増)
▶特別支援学校: 3,467件(前年度比 269件増)
態様別(複数回答)で見ると、
▷「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」44万1544件(58.5%)
▷「軽くぶつかられたり、遊ぶふりをして叩かれたり、蹴られたりする」16万9440件(22.4%)
などのほか、いわゆるネットいじめも2万件以上認知されており 、引き続き深刻な課題です。
▷「パソコンや携帯電話等で、誹謗中傷や嫌なことをされる」2万6284件(3.5%)
いじめの認知件数増加について、長崎県教委は教職員の意識向上のほか、「児童生徒のコミュニケーション能力の低下や、SNSの普及によるネット上でのトラブル増加」などが背景にあると分析しています。
不登校の増加
何らかの心理的、情緒的、身体的、社会的要因や背景により、年間30日以上学校を欠席した不登校の児童生徒も増加しています。
▶小学校: 13万6645人(前年度比 7,235人増)
▶中学校: 20万7540人(前年度比 527人増)
▶高等学校: 5万231人(前年度比 156人増)
高校中退:全国的に減少傾向
公立高校の中途退学者数は、2万3468人となり、前年度(2万4349人)から881人減少しています
理由別では、「学校生活・学業不適応」が依然として多いものの、「別の高校への入学希望」などの「進路変更」も多く 、通信制高校への転学などが選択肢となっている可能性も指摘されています 。














