2025年7月に発生したカムチャツカ半島を震源とする巨大地震と津波から3か月が経ちます。
この津波で大きな被害を受けた気仙沼市のカキ養殖業者は、本格的な出荷を控えた現在も、養殖施設の復旧作業を続けています。

宮城県気仙沼市の本土と大島の間にある大島瀬戸でカキを養殖する小松俊浩さん(50)です。

案内してもらったのは、津波の被害をうけたカキのいかだ。

カキ養殖業者 小松俊浩さん:
「残っているように見えるけれど、ほぼ全損の状態。全部折れている。ちぎれる寸前」

別のいかだは、海中でカキがついたロープが絡まり、水揚げはほとんど望めないといいます。

カキ養殖業者 小松俊浩さん:
「いろいろやってみたけど絡まりがひどすぎて無理でした。1本でも多く水揚げできればというところ、このいかだに関しては」

2025年7月30日にカムチャツカ半島付近を震源として発生したマグニチュード8.8の地震では、県内の沿岸でも津波を観測。

気仙沼市のカキやホタテの養殖施設の被害は、1億2700万円にのぼります。

小松さんも所有するカキいかだ49台が流されたり、海中のロープが絡んでカキが落下したりする被害を受けました。

カキ養殖業者 小松俊浩さん:
「最初はいかだが1台、2台と流されていく状態で、すぐに沈み始めたのが見えた。津波警報、注意報が解除になった後も、海流の変化が10日ほど続き、その間に被害が拡大した」

現在は、新たな種ガキを吊るす作業や、業者に依頼して筏を作り直していますが、元通りになるまで、2年程度かかる見込みで今シーズンは水揚げも減少するといいます。

カキ養殖業者 小松俊浩さん:
「もともと温暖化による死滅もある中で、さらに津波被害で4割を失っている。全体的に(例年の)2割くらいの水揚げになると思っている」

11月から被害を免れた殻付きカキの出荷を始める予定の小松さん。完全復旧に向けて前を向きます。

カキ養殖業者 小松俊浩さん:
「このような苦しい中でも、みんな力を合わせて頑張って、これからもおいしいカキを作って行きたいので、消費者の皆さんにはおいしいカキを食べてほしい」

今回の津波被害を巡っては、気仙沼市がふるさと納税を活用したクラウドファンディングを行って3200万円が集まりました。この寄付金は、被災した養殖業者に11月交付されるということです。