日米首脳会談「100点満点」の裏に影の主役?

小川彩佳キャスター:
今回の日米首脳会談の主なポイントはこちらです。

●80兆円規模の対米投資
●レアアースなどの供給力確保
●トランプ氏をノーベル平和賞に推薦

アメリカへの投資に関する文書などに署名が行われた他、随所で友好ぶりをアピールするような様子も見られました。そして、トランプ氏をノーベル平和賞に推薦という1コマもあり、いろいろな角度からトランプ氏の心をつかもうという仕掛けが散りばめられていたように感じますが、どうご覧になりましたか。

小説家 真山仁さん:
高市総理が就任してまだ1週間ですから、アメリカとしても何も分析できる状態ではないと思います。ただ、全てが「外交交渉をディールだ」と言っているトランプ大統領からすると、最初は優しく入っていくのは当たり前の話。

問題は、前の総理と比べていることや、トランプ大統領といるときに陽気ではしゃいでいるようなリアクションをしているという意味で、もしかするとトランプ大統領に、前よりやりやすいという印象を与える可能性もある。

ただ、日本の外交でああいうことをできた総理は今までいなかったので、それをプラスと考えることもできます。アメリカも我々も「お手並み拝見。ここからが勝負」という感じだと思います。

喜入友浩キャスター:
今回初めて直接会談をしましたが、やはり安倍元総理の存在感が目立っていました。両者から何度も名前が出てきましたし、安倍氏ゆかりのパターを送ったりということもありました。

そうしたことが功を奏してか、今回の会談について、総理周辺は「想定していたより上をいく成果を得られた。100点満点でしたよ」ということです。

真山仁さん:
新しい総理が登場したのに、過去の総理の名前を出して友好関係ができてしまうのは本当にいいことなのか、ということは少し考えたいなと。やっぱり自分を売り込むことが一番重要なはずです。

過去の話を引き合いに出してしまうと、「あなたはシンゾーと同じなんだね」「私とシンゾーが決めたことの通りあなたはやってくれる」と。これが本当に安倍元総理とトランプ大統領の間で決めたことなのかわからないことすら言われる可能性がある。

なので本来はゼロスタートをするべきなのに、なぜここで過去を振り返ってでもトランプ大統領の関心を買おうとしたのか。これが仇にならないことを願っています。

小川キャスター:
ここからどうやって一対一の関係を築いていけるかですね。

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<プロフィール>
真山仁さん
小説家 2004年「ハゲタカ」でデビュー
近著に政治家のリーダーシップを描いた「アラート」