今週のシリーズ「秋色を訪ねて」です。2回目は花巻市大迫町のガラス工房が作るオリジナルガラスを紹介します。
緑や青といった美しい色を出す原料となっているのは地域の特産品です。

花巻市大迫町の「ガラス体験工房森のくに」です。
初心者も作品づくりが体験できる施設で、ワイングラスや皿といったガラス製品が販売されています。

ここで、2024年から販売が始まった森のくにのオリジナルガラスがこちら。
透明感のある黄緑や深みのある青緑といった色がガラスの美しさを際立たせています。

(甲斐谷キャスターリポート)
「このガラスの色の元となっているのが、大迫の特産であるぶどうの木の枝です」

葡萄灰ガラスは、大迫町の特産品であるブドウの剪定作業で出た枝を使ったガラス製品です。

(ガラス体験工房 森のくに 内田大輔支配人)
「大迫で作られているものが何かガラスにコラボレーションしてできないかと思って、オリジナルの葡萄灰ガラスを作りました」

このガラスは、本来は廃棄してしまう剪定したブドウの木の枝を町内のブドウ畑から譲り受け、材料としています。
枝を十分乾燥させてから燃やし、出てきた灰をガラスの原料と混ぜることで生まれたのがこれらの色です。

2024年、シャインマスカットの枝のみで作ったガラスは黄緑色に。
一方2025年、キャンベルやナイアガラなど複数の品種の枝を混ぜて作ったものは一度目の制作では青緑、二度目は濃い緑とそれぞれ違った色になりました。

同じ作り方で色が変わる正確な理由はわかっていませんが、内田さんは…。

(ガラス体験工房 森のくに 内田大輔支配人)
「ブドウの枝の種類(品種)が違ったのかなというのがありますね。それが一番の要因かなと思います」

大迫町の自然が生んだ秋色は枝を灰にするまで燃やすのに丸一日かかる上、採れる灰の量はわずかなため、工房で作られるガラス製品も決して多くありません。
それでも、ほかにはない色を求め制作を続けていきます。

(ガラス体験工房 森のくに 内田大輔支配人)
「葡萄灰を溶かして出る色の意外性、出た色がものすごくきれいな色が今回3色揃っています。その色を楽しんでいただいて、器にワインなどを入れて楽しんでほしいと思う」

葡萄灰ガラス作りに励む内田さんから取材中、次なる作品のアイデアも聞かれました。

(ガラス体験工房 森のくに 内田大輔支配人)
「次は今、材料を集めているんですが、クルミ(の殻)を灰にして溶かしてみようかと思っています」

大迫町の特産品であるブドウに着目して生まれたガラス作品。
地域の自然を生かした新たな秋色の誕生も楽しみです。














