秋田県が“クマ被害”で自衛隊の派遣要請へ できることは?

小川彩佳キャスター:
深刻さの度合いがどんどん増しているなかで、自衛隊が秋田県への派遣を検討しているということです。

かつて自衛隊が派遣された例として、2011年2月には北海道・白糠町でエゾシカの捕獲を陸上自衛隊が支援した例があります。ただ、このときは▼ヘリコプターによる偵察、▼スノーモービルなどで捕獲個体の運搬などということで、銃器は使用せず、あくまで後方支援というかたちでの対応でした。

クマでの自衛隊派遣について官房長官は、「防衛大臣が総合的に勘案し決定する」としていますが、今回はどういった対応になりそうでしょうか。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩 氏:
防衛省の関係者に聞くと、自衛隊もクマを撃つ訓練はまったくしていませんから、実際にクマを撃つことはできません。ですから、災害級のことだと考えると、例えば罠を運ぶのを手伝うなど、法律上の後方支援はできるということで、どういう形で対応するのかこれからいろんな話し合いが必要だと思います。

自衛隊の対応も、何でもできるというわけではありません。訓練してないものは、やはり厳しいですよね。

“クマの鳴き声”ってどんな声?特に甲高い声には要注意

喜入友浩キャスター:
だからこそ、自分たちで身を守るということが大事になってきます。

そこで、クマの鳴き声に着目してみます。
連日、クマの被害が出ていますが、クマに遭遇しないためにはクマの鳴き声を知っておいたほうが良いです。クマはどのような声で鳴くのでしょうか。

北海道にいるヒグマの鳴き声は、「うおー」という唸るような低い声です。クマの鳴き声は、この声だけではありません。

本州に生息するツキノワグマは「コワッコワッ」と、よく聞かないと動物の鳴き声なのかわからないような声。これはオスのクマが発情しているときの鳴き声だそうです。

クマの鳴き声について、岩手大学農学部の山内貴義准教授によると、「クマは基本的に鳴かない動物」だそうです。鳴き声は「人間にとって『危険が近づいているサイン』だ」といいます。そういうときは「興奮状態にあり、襲われる危険が高まっている」そうです。

ご紹介した鳴き声以外にも、もっと注意が必要なのが子グマの鳴き声です。犬や猫のような甲高い声は、親グマを呼んでいるそうです。ですから、子グマを守るために、親グマが襲ってくることもありえるということで、子グマの声は危険だそうです。

鳴き声聞いたら、「逃げなきゃ!」と思うかもしれませんが、走って逃げる、大声をあげるのはいけません。逆に興奮させて襲われる危険が高まる可能性があります。ここはぐっとこらえて「立ち止まって、熊の様子を観察し、後ずさりする」ことが大事だそうです。

TBSスペシャルコメンテーター 星 氏:
関係者が言っていましたが、猟友会の方が高齢化していて、なかなか駆除する人手が足りないというのが相当深刻な事態だそうです。

小川キャスター:
国としての選択肢も増やしてほしいですね。態勢を抜本的に見直していく必要があるかと思います。

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<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
政治記者歴30年 福島県出身