夕暮れ時の事故 なぜ秋に多い?

夕暮れで薄暗くなる“薄暮(はくぼ)”は、交通事故が増える“魔の時間帯”です。
警視庁HPによると、薄暮時間帯における月別の死亡事故の件数は、11月が最多となっています。

交通事故鑑定ラプター所長 中島博史氏:
この時期は、見えづらくなる時間帯が帰宅の時間帯に重なるために事故が増えてしまいます。
薄暮の時間帯は空がまだ明るく、建物の影が暗く沈んでいます。ですので服の色が比較的明るくても見えにくい。
夜間に暗い色が見えにくいのは当然皆さん気を付けると思うんですけれど、この時間帯は空とのコントラストがあるために、明るめの色でも見えづらいということに注意してほしいと思います。
薄暮時間帯 ブレーキを踏む時間に遅れ

実際、薄暮時間帯はどれだけ見えにくいのでしょうか?
北里大学医療衛生学部の川守田拓志准教授のもと、運転中の視野の広さと反応速度を測定する実験を行いました。
画面中央に映る「C」の切れ目の向きをボタンを押して答えながら、画面のどこかに棒が見えたらブレーキペダルを踏み、その反応時間を測定。
「日中」と「薄暮」を想定した2つの画面でテストをします。

「日中」の明るさを想定したテストでは、暗い画面にくっきりと記号が見えるのに対し、「薄暮」では記号と背景の明暗の差が小さくなることで、かなり見えづらくなります。
結果、「日中」では、ブレーキの反応時間が0.7秒だったのに対し、
「薄暮」では、反応時間が1.24秒と約0.5秒遅くなりました。

北里大学医療衛生学部 川守田准教授:
コントラストといって、「背景」と「見るべき対象物」の明るさの差が縮まることによって、見えづらくなるということが起こります。
薄暮で(反応が)0.5秒遅くなってしまった場合は、事故に繋がる可能性があると言えます。
交通事故鑑定ラプター所長 中島博史氏:
明るいときは「色」が見えていて、暗くなると「明るさ」だけで白黒になっていくんですけど、その切り替わる辺りでは、非常に判別しづらくなります。
恵俊彰:
どうすればいいんですか?
交通事故鑑定ラプター所長 中島博史氏:
やはり基本的にはスピードを出さない。「かもしれない」の運転をする。
見落としている「かもしれない」、急に出てくる「かもしれない」ことを考慮して運転することが必要です。
あとヘッドライトは「自分がいることを知らせるため」ということも含めて、自転車側も点けて欲しいと思います。
自分が見るためよりもむしろ、ここにいるんだよと知らせることと、自分が見えているからといって相手からも見えていると思い込まないというのも大事ですね。














