岩嵜さんは医師の言葉に声も出ないほど大きなショックを受け、その瞬間から頭の中は真っ白になりました。これは現実なのか夢の中なのか、今何が起きてるのか、何もかも分からなくなったといいます。

やっと元紀さんに会えたのは、24日午前2時39分。
先生から『永眠されました』と、永遠の別れを告げられたときでした。

岩嵜さんは足がすくんで動けず、すぐに処置室に入ることはできなかったといいます。

やっとの思いで入った処置室には、処置台の上に寝かされた元紀さんがいて、胸から下は白い布がかぶされ手足に血の気はなく、その姿はまるで黄色い蝋人形のようでした。

岩嵜さん:
「傷つき、傷つき、鼻がへこんだ元紀の顔は鼻と耳ははっきりと血をぬぐった跡がありました。あまりにも変わり果てたその姿は、元紀であって、元紀でない…。でもやっぱり元紀なんです」