フランスのルーブル美術館で発生した強盗事件について、パリで宝石鑑定士として働く男性が取材に応じ、盗まれた宝飾品が分解されて売却される可能性について語りました。

19日に発生したルーブル美術館の強盗事件では、ネックレスやブローチなど8点の行方が未だわかっていません。

数ある展示品の中から宝飾品が狙われた理由について、フランス政府認定の宝石鑑定士が取材に応じました。

宝石鑑定士 アレクサンドル・レジェさん
「絵画を盗んだ場合、絵の具や木材に切り分けて売却することはできません。宝石は美術館の中で、分解してもお金になる唯一の展示品なのです」

また、有名な宝石であってもカットされて形が変わると、追跡することはほぼ不可能だといいます。

宝石鑑定士 アレクサンドル・レジェさん
「これらの作品はあまりにも有名すぎるので、どんなコレクターでも手は出せないでしょう。カットされると、元の石が何だったのか見分けることは不可能です」

事件をめぐっては警備体制の不備も指摘されていて、現地メディアによりますと、本来6人で警備にあたるはずのところ、4人しかいない時間帯もあったということです。

警察は犯人が残した衣類などを複数回収していて、捜査を進めています。