アメリカ軍岩国基地(山口県岩国市)周辺のフッ素化合物PFASについて継続調査している市民団体が20日、3度目の結果を発表しました。今回も国の指針値を上回り、3回連続で高い値を示しました。

調査をしたのは「瀬戸内海の静かな環境を守る住民ネットワーク」です。

アメリカ軍の基地では、かつて使われていた泡消火剤などにPFASが含まれていて、岩国でも調査を始めました。調査は去年10月から半年ごとに行っていて、これまでと同じ基地北側の遊水池で同じ条件で採水し、東京都の農民連食品分析センターで分析してもらいました。

その結果、環境省が監視項目としているPFOAとPFOSを合わせた値が、1リットル中134.4ナノグラムでした。これは国の指針値のおよそ2.7倍です。過去2回の調査でも指針値を上回っていました。

市民団体では「調査地点は慢性的な汚染状況にあり、遊水池の藻や植物がPFASに汚染されているのではないか」と推測しています。

瀬戸内海の静かな環境を守る住民ネットワーク 久米慶典 共同代表
「だとしたら、基地内遊水池が2次的な汚染源となってるということになりますから、非常に広範囲に汚染地域が広がっているのではないかということが危惧をされることです」

市民団体では、市や県に基地遊水池での調査を求めるとともに、汚染源のメカニズムを明らかにするよう申し入れることにしています。