島根県の原爆死没者慰霊式典が、20日、島根県松江市で開かれ、参列者が黙とうを捧げました。
また、被爆者や小学生の代表が、それぞれの思いで、戦後80年となる今年、平和への誓いを述べました。
松江市・北公園の原爆死没者慰霊碑の前に、被爆者や遺族、近くの母衣小学校の児童ら、120人が参列。
今年新たに3人の名前が加えられた原爆死没者名簿を奉安し、黙とうを捧げました。
また、戦後80年の今年は、島根県の丸山知事と、松江市の上定市長も出席して追悼のことばを述べました。
母衣小学校児童代表の平和への誓いの言葉では…
母衣小学校6年 児童代表 若槻羽純さん
「私たちは、修学旅行で広島に行き、自分で見たり、被爆体験伝承者の方のお話を聞いたりして、広島で何が起きたのかを学びました。また、修学旅行後の平和学習では、私たちの住む松江周辺でも空襲があったことを知り、どこか遠くのことと感じていた戦争を身近なものに感じました」
母衣小学校6年 児童代表 下村岳さん
「同じ過ちを決して繰り返すことなく、みんなが平和に暮らせる世界、みんなが笑って過ごせる世界をつくるために、私たち一人一人が努力していくことを誓います」
9歳の時、長崎で被爆した松江市の佐々木シノブさん、90歳。
これまで被爆者として人前に出ることを避けてきましたが、去年、日本被団協がノーベル平和賞を受賞したことなどに勇気をもらい、今年初めて式典に参加しました。
被爆者代表あいさつ 佐々木シノブさん
「原爆の悲惨さと平和の尊さを訴え、核兵器と戦争のない世界平和の実現に向けて、使命感をもって生きることを申し上げ『平和への誓い』といたします」
被爆者健康手帳を持つ島根県内の被爆者は、今年3月末現在で、405人。
平均年齢が90歳を超えるなか、参列者は、被爆の記憶を次の世代へ受け継いでいくことに、思いを新たにしていました。