気象庁は18日午前3時、フィリピンの東で台風24号が発生したと発表しました。アジア名は「フンシェン」で中国が名付けた風神を表す言葉です。この後は西寄りに進み、フィリピンを横断して南シナ海へと向かう予想です。

秋が深まるとこのようにフィリピン付近を西進する台風が多く、2024年は10月下旬から11月中旬にかけて、20号、22号、23号、24号、25号と5つの台風が同じようなルートをたどりました。今回の台風24号は日本列島に近づいてくることはなく、あまり発達はせず暴風域も伴わない予想ですが、南西諸島では間接的な影響があるかもしれません。気象庁の早期注意情報では、沖縄地方と奄美地方では(主には前線の影響とみられますが)21日(火)と22日(水)に警報級の大雨となる可能性が[中]となっています。
一方で過去には10月下旬以降にも日本列島に大きな影響をもたらした台風があります。2017年には超大型の台風21号が10月23日に静岡県に上陸し、統計開始以来3番目に遅い上陸台風となり、超大型で上陸したのは記録が残る1991年以降では初めてでした。

前日の22日は衆議院議員選挙の投開票日で、宮城県内の離島では台風に備え投票日を2日繰り上げるなどの措置がとられました。
2番目に上陸日時が遅い台風は1967年10月28日に愛知県に上陸した台風34号、そして最も上陸日時が遅い台風はそれより1か月も後の11月30日に和歌山県に上陸した1990年の台風28号となっています。


このように11月に台風が上陸するようなことはかなり稀なケースではありますが、台風の発生そのものは11月も平年2.2個あり、日本列島のどこかから300キロ以内に近づく「接近」数は平年で0.5個と、2年に1回くらいは接近する台風があります。晩秋に台風が近づいて雨が強まると、落ち葉が側溝にたまっていたりするため、雨量が極端に多くなくても道路の冠水が起きやすくなります。もう少しの間、南海上の動向には注意が必要です。