沖縄県保健医療介護部・薬務生活衛生課は16日、嘉手納町の飲食店で食中毒が発生し、営業停止処分を行ったと発表した。

食中毒は今月4日夜に同店を利用した13人のグループで発生。鶏のレバー串を食べた8人全員に、翌日から8日にかけて腹痛、下痢、発熱などの症状が出たという。

中部保健所の調査によると、有症者8人のうち5人が県内の医療機関を受診し、このうち4人のふん便からカンピロバクター属菌が検出された。有症者は全員回復しており、入院した患者はいない。

保健所は原因施設となった嘉手納町の飲食店に対し、10月16日から20日まで5日間の営業停止処分を行った。

沖縄県内では今年に入って10月16日までに、この件を含めて7件の食中毒が報告、されていて、患者数は104人に上る。(昨年同時期は21件・138人)

カンピロバクター属菌による食中毒の特徴は

カンピロバクター属菌は特に鶏肉の汚染による食中毒が多く発生している。沖縄県の調査では、鶏肉の97%からカンピロバクターが検出されていて、「新鮮なら安全」ではない、と警告している。

調理する人には、中心部まで十分に(75度以上で1分間以上)加熱するよう注意を呼びかけるとともに、食べる際に「生焼け」と感じた場合は焼き直しをお願いするよう促している。

カンピロバクター属菌の潜伏期間は1~7日と比較的長く、吐き気、腹痛、下痢、38度前後の発熱などが主な症状。多くは1週間以内で回復するが、稀にギランバレー症候群を引き起こし重症化することがある。