伝統的な神事にまつわる、歩行者専用の参道橋

愛知県稲沢市にある名鉄・国府宮駅の南には、道路の中央に立派なアーチ状の歩行者専用道路があり、車道はその歩道を挟んで二手に分かれる奇妙な交差点があります。

側面から見てみると、歩行者専用道路は掘り下げ式になっている愛知県道62号を跨いでいますが、車両は愛知県道62号を渡ることも合流することもできず、県道に沿って左折しかできません。

実はこの歩道、国府宮へとつながる「参道橋」。参道橋の先には鳥居や多くの灯籠が立ち並び、地元の方たちに親しまれています。

かつては平らな一本道でしたが、県道62号のアンダーパス工事により参道は分断。その後、道を跨ぐように新たに参道橋が造られたと言います。

また、参道橋は古くからこの地域で行われている歴史的な行事「国府宮 はだか祭り」が関与しているとのこと。「国府宮 はだか祭り」は、願いを込めた笹を担いで拝殿へ駆け込み、厄除けや無病息災を祈願する伝統的な神事。

各所から国府宮へ向けて大きな笹を持ちながら練り歩くこの祭りで、転倒や事故を防ぐため、参道橋は階段を設置せず緩やかな傾斜にしてアーチ状に造られているとのことです。

CBCテレビ「道との遭遇」2025年2月25日(火)午後11時56分放送より