被害の拡大と復旧の遅れが心配されます。台風23号はあすにも伊豆諸島にかなり接近する見込みで、特に台風22号で被害が相次いだ八丈島は、厳戒態勢で台風に備えています。

紀伊半島の南の海上を北東に進む台風23号。あすの明け方から昼前にかけて、暴風域を伴って八丈島など伊豆諸島にかなり接近する見込みです。

心配されるのが、9日朝に最接近した台風22号で甚大な被害を受けた八丈島です。土石流が発生し、建物の付近には大量の土砂や倒木が。他にも、電信柱が倒れ、住宅などの屋根もはがれてしまっていますが、追い打ちをかけるように台風23号が接近しているのです。

八丈島の住民
「続けて来るなんて初めてだから、ほとんど寝られないと思うんですよ、きょうも。どうしようもないんですよね」

島内の小学校では…

八丈町立大賀郷小学校 副校長 酒井慎一さん
「ガジュマルの木がここになっていたけれど、そのまま、なぎ倒されてしまって。これをどかすのは難しくて」

学校再開に向けて、職員が対応に追われていました。

酒井慎一さん
「来月には運動会も控えておりますので、これ以上崩れることがないことを願っています」

他にも心配されるのが…

酒井慎一さん
「今電気が通じていないので、懐中電灯がないと家の中が真っ暗になってしまう状況」
「(Q.これは冷蔵庫は…?)電気がつきませんし、食べるものも残っておりません」

八丈島では現在も一部地域が停電。さらに断水も広い範囲で続いているのです。

酒井慎一さん
「だめですね、この2日3日水も使えません。トイレも使えなくなりますし、何か食べたものを洗う時も水がないと」

台風22号の際に備えていたという風呂の水も…

酒井慎一さん
「もう使い切ってしまった状況です。水が今でませんので」

八丈町はあわせて6か所の避難所を開設。およそ700人規模で住民を受け入れて対応するとしています。

伊豆諸島では、あす最大瞬間風速50メートルの猛烈な風が吹くことが予想されるほか、あす夕方までに降る雨の量は多いところで300ミリに達するおそれがあり、暴風雨や土砂災害などに厳重な警戒が必要です。