「初手で間違えた」“麻生人事”への不快感

1999年から、自民党と連立を組む公明党。その頃のコマーシャルでは、裏金を受け取る悪代官に対し、当時の神崎代表が「そうは、いかんざき」と成敗するシーンも。
「クリーンな政治」を標榜してきた公明党。今回、“政治とカネ”の問題で自民党に愛想をつかせた形ですが、突然の連立離脱には他にも理由があるといいます。

政治ジャーナリスト 後藤謙次さん
「総裁に決まった直後に、国民民主の玉木さんと会ったり、榛葉幹事長と麻生太郎氏が会ったり、完全に公明党は、なきがごとき。初手で間違えた」
高市執行部は、連立の拡大を摸索する中で国民民主党の取り込みに動く一方、公明党を軽く扱い不信を買ったといいます。
キーになるのが、副総裁に就任した麻生氏。かつて、安保政策で慎重姿勢を見せた公明党の幹部を名指しして、こんな発言も...

自民党 麻生太郎 副総裁(2023年9月)
「今の公明党の一番動かなかった、“がん”だった、いわゆる山口氏、石井氏、北側氏等々の一番上の人たち...」
その麻生氏が、今回の人事で強い影響力を見せつけ、新執行部は“第2次麻生政権”とも囁かれる布陣に。
中でも、幹事長についた鈴木俊一氏は、麻生氏の義理の弟です。
後藤謙次さん
「鈴木さんが大きな判断をするということは、とても考えられない。司令塔は麻生さん、そして実働部隊は(幹事長代行の)萩生田さん。萩生田・麻生両氏で決めた物事に対して、幹事長の判子を押すというのが、鈴木さんの役割」
総裁選で麻生派に頼ったことが尾を引いていると、後藤さんは指摘します。
後藤謙次さん
「今度の麻生さんがやったとみられる人事にも、(公明は)『自分たちの嫌がることを何でやるんだ』という思いも強くあった。まさに信頼関係が崩れたということ。麻生さんの要求を取り入れることによって、総裁選を勝ち残るという戦略に沿った結果が、今日(の連立崩壊)を招いている」
想定外の連立崩壊で、自民党・高市体制は前途多難の船出となりました。