連立構想は振り出しに 安定政権づくりに暗雲

日比キャスター:
高市総裁は10日午後5時ごろの会見で、他の野党との連携の可能性について「今申し上げられることは何もありません」という言葉も残しています。「どこと連携するのか」という話から、そもそも「他党と連携するのか」というところになってきました。

岩田夏弥 政治部長:
参議院選挙を終えて、自民党は基本的には「自民党と公明党の連立が続くだろう」という前提のもと、他の野党と協力して過半数を超えることで安定した政権を作ることを目指していました。高市氏自身も、早くうまく連立を作っていきたいと考えていました。

ところが公明党が連立を離れることになったため、仮に他の野党が自民党に協力したとしても過半数には届かず、安定政権にはならない状況となりました。

いっぺんに状況が変わって、この先どうなっていくのか見通せないという中で、政治とカネの問題については、維新の藤田共同代表も「公明党がおっしゃるように政治とカネ、それから自民党の体質に国民の不信感が積み重なっていることは、私達も感じるし、その通りだ」と話しています。

自民党はいろいろな法改正に慎重でしたが、公明党・維新・国民、あるいは他の野党も含めて「少なくともここまでは規制を強めよう」という動きを見せ始めれば、新しい政治資金規正法の改正が成り立つ可能性も出てくると思われます。

今後の日程としては、20日か21日に臨時国会召集をして、総理指名選挙を行う段どりが固まったということです。

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<プロフィール>
岩田夏弥
TBS報道局政治部長
元官邸キャップ
小渕総理以来、主に政治取材を担当

堤伸輔さん
国際情報誌「フォーサイト」元編集長
BS-TBS「報道1930」コメンテーター