サッカー・ワールドカップのベスト8をかけてクロアチアに挑む日本代表。
この一戦を複雑な思いで迎えているのが十日町市民です。20年の深い縁でつながる十日町市にとっては、『どっちの勝利も祈りたい!』ワクワク、ドキドキのちょっと困った一戦のようです。
十日町で見つけた“クロアチアとの絆”

十日町市にある『きっちん愚留米(ぐるめ)』です。
玄関を入るとまず目に飛び込んでくるのが、クロアチアのサッカー連盟から贈られた刺繍。十日町市役所など数か所にしかないという、貴重な“仲間の証”です。

【きっちん愚留米 店主 廣田正男さん】
「大会が終わった後に、いろいろ感謝の気持ちを込めていただいた」

十日町市とクロアチアの深い縁は、2002年の日韓ワールドカップをきっかけに始まりました。十日町市はクロアチア代表の合宿地に選ばれ、試合直前の選手たちを市をあげてバックアップ。

市内に店をかまえて40年の廣田正男さんは、合宿に関わるスタッフや大勢のメディア関係者を『食』で支えた1人です。

【きっちん愚留米 店主 廣田正男さん】
「クロアチア大使夫人から料理を教えてもらったりして、みなさんにふるまったりもした。なじみがない国の料理が食べられるということで喜んでいた」
当時、サッカーには疎かったという廣田さん…。
【きっちん愚留米 店主 廣田正男さん】
「ただ(クロアチア関係者から)ビールをもらいに行ったつもりが『写真を撮れ』と言われて、撮って帰った。聞いたら前回フランス大会の得点王でシュケルという名前らしくて…」
知らず知らずのうちにツーショットを撮ったのは、2002年日韓ワールドカップのときのキャプテン、ダボル・シュケル選手でした。

合宿期間を通じてサッカーが生み出す熱気と興奮に夢中になり、スタジアムにも足を運びました。

【きっちん愚留米 店主 廣田正男さん】
「まさか日本と対戦するとは思わなかったのでびっくり。嬉しいような、複雑な気持ち。日本人なので日本が勝ってほしいけど、クロアチアが勝っても嬉しいかな」
十日町市民にとって特別な試合のホイッスルは、まもなくです。
クロアチアは“遠い親戚” 十日町とクロアチアを繋ぐキーマンは…
十日町市とクロアチアの交流を今後も深めていこうと、今年6月に発足した民間団体があります。理事長の若山裕さんです。
【クロアチアホームタウンクラブ 若山裕 理事長】
「(Qどっちが勝つと嬉しいですか?)サムライブルーはサッカーに携わっている者からすれば代表チームですから、しっかり応援します。クロアチアは“遠い親戚”。しっかり応援しようというスタンス。答えになっているでしょうか?」

『どっちも勝ってほしい!』というのが偽らざる気持ち…。
今回のワールドカップ前には日本からは千羽鶴、クロアチアからは手作りの飾り物『リツィタル』を代表選手に贈り合い、互いの健闘を祈っていました。

【クロアチアホームタウンクラブ 若山裕理事長】
「わくわく、ドキドキ。あとは試合を見ながら楽しみたいなというのが本音ですね」
前回大会・準優勝の強豪に挑む運命の一戦。クロアチアホームタウンクラブは、パブリックビューイングを開き、エールを送る予定です。