裁判所「雇用調整助成金制度を根底から揺るがしかねない悪質な手口」厳しく指摘

8日の判決で福岡地裁(岡本康博裁判官)は
・新型コロナウイルス感染症の雇用調整助成金制度を悪用し、従業員の休業日数について現実の日数から水増しをした支給申請をするという、同制度を根底から揺るがしかねない悪質な手口による犯行
・約7200万円にのぼる被害額や、水増しではない部分を除いても約2600万円にのぼる実質的被害額はいずれも多額であって、法益侵害の程度も看過できるものではない
・本件のような犯罪が横行してしまうならば、政策的理由に基づく簡易迅速な公的な給付が阻害されてしまうのであって、一般予防の見地からも厳正な処罰が要請される
・被告人4名は「アルカディア」において要職を占めていただけではなく、本件犯行においてそれぞれ重要な役割を果たしている
・特に大串被告は社長の地位にあり、虚偽内容の支給申請を自ら行っていたのであって、刑責は他の共犯者との比較において一等重いものがある
と厳しく指摘した。