再審=やり直しの裁判で無罪が確定した袴田巖さんの弁護団は2025年10月9日、当時の事件捜査の違法性をめぐって国と静岡県に対し6億円超の賠償を求める訴えを起こしました。

袴田巌さんは1966年に静岡県清水市(現・静岡市清水区)で一家4人が殺害された事件で、一度死刑が確定しましたが、再審=やり直しの裁判で2024年、無罪が確定しました。

袴田さんの弁護団によりますと、国と静岡県を相手取り損害賠償を求める訴状を、2025年10月9日午後1時に静岡地方裁判所に提出したということです。

訴状では、当時事件をめぐって違法な捜査や取り調べが行われていたといった指摘がされていて、慰謝料6億840万7602円などを請求しています。

袴田さんの姉・ひで子さんは今回の訴えについて「再審で勝った人もいるしこれから勝たなければいけない人もいる。そう言う人たちのためにも、道筋をつけておかないといかんと思っている」などと、コメントしています。

また袴田さんの弁護団は、9月には検事総長の談話が袴田さんの名誉を傷つけたとして国に損害賠償500万円などを求める訴えを起こしています。